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「事業数字にコミットできるエンジニア」を育てたい! ビズリーチが求める新しい人材像

2015年02月18日 12:00  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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ハイクラス人材を対象とした国内最大級の会員制転職サイトとして知られるビズリーチ。営業主体の会社と思いきや、実はエンジニアの貢献度がかなり高いのだとか。

最近でも、求人検索機能がないレコメンド型の転職サービス「careertrek(キャリアトレック)」や、学習アプリ「zuknow(ズノウ)」など、スマートフォン時代に対応した新サービスを矢継ぎ早にリリースしている。

これらは、創造的なサービスを自ら作り出す「事業志向のエンジニア」が生み出した成果でもある。そんなエンジニアを育成する評価制度を中心に、同社広報の伊藤綾さんに内情をレポートしてもらった。

CTO竹内さん「エンジニアの評価に対する不満あった」

6年前、創業者の南壮一郎が2人で始めたビズリーチは、いまでは従業員数400名近くになり、毎月15名ほどの仲間が増え続けています。インターネットカンパニーとして短期間に成長できたのは、他でもないエンジニアの力といえます。

優れたエンジニアを率いるのは、最高技術責任者(CTO)の竹内真。彼はビズリーチのほかに自らWEB制作会社も経営しており、エンジニアリングとビジネス両方の視点を持つプロフェッショナルです。

そんな竹内は、管理職専業のマネジャーにならないと年収や評価が上がらない一般的なエンジニアの評価制度に、ずっと疑問をもっていました。市場価値の高いエンジニアとは何か。これからのエンジニアが歩むべきキャリアとは、どのようなものか。

「エンジニアとマネジメント職では、スキルや適性が違いすぎます。現場を離れたくないエンジニアが、会社の指示で嫌々マネジメントに回る場合もしばしば。選択肢がこの2つしかないのは、おかしいんじゃないかと」

そこで竹内は、「エンジニアが開発したプロダクトの価値はビジネスに貢献してこそある」という信念を盛り込んだ新しい人事評価制度を作ることにしました。ひと言でいえば「事業数字にコミットできるプレイングマネジャー」を育てる人事制度です。

具体的には、生産性などの「定量的な指標」と、開発に臨む姿勢やソースコードの美しさのような「定性的な指標」の両方で一定レベルに達した人には、事業貢献度にフォーカスした評価を加えたのです。

重要課題に「プレイングマネジャー」として関われる

エンジニアの職位は7つに分けられ、プログラマーからエンジニア、リードエンジニアに昇格した後は、個人の志向や特性に合わせてアーキテクトやプロデューサー、チーフエンジニアなどのコースに分かれます。職位ごとに「求められること」も明確にしました。

これによってエンジニアたちは、会員獲得率や利用率などサービスのさまざまな目標指標をクリアするために、自ら仮説を立て、改善策を「開発」することで得られた事業への貢献度を評価される道ができました。

この評価制度では、エンジニアやクリエイターは事業貢献度が大きい課題に着手すればするほど職位が上がり、それに応じて技術力だけでなくマーケティングの視点や行動が求められます。さらに、あるレベル以上になると、携わるサービスを組織のマネジメントと経営の両方を考えるCTOの視点で開発することが求められます。

あるレベルに達すると、立候補した人や会社からリクエストした人にマネジメント研修を受けてもらい、チームマネジメントを担ってくれるエンジニアやクリエイターには、評価に給与を上乗せする形で報います。

ただ、この説明を聞いて、エンジニアではない私(伊藤)は「これでは業務の負荷が増えているだけではないか?」と思いました。ところがエンジニアやクリエイターに話を聞いてみると、技術を捨てずにステップアップができるようになったことを喜んでいるようです。

現場を離れるマネジャー以外に、事業貢献度が高い課題に関わるエンジニアやクリエイターのまま「プレイングマネジャー」として職位が上がる道が開けました。分かりやすいキャリアパスができることで自分が努力すべき方向も明確になり、モチベーションを高める効果もあります。

オフィスにはサンゴの砂を2トン敷き詰めた「海」も

もちろん、企画から実装、フロントからバックエンド開発までを1人でこなせる人の評価は枠に当てはめるべきではないので、スペシャリストの道も用意しています。しかし、そのようなマルチな才能がなくても、きちんと評価される制度は大切です。

竹内は「エンジニアにはこの加点評価で、目の前の課題に対して技術的なバックグラウンドを背景に仮説を考え、形にしてPDCAを回せる人材になってほしい」と言います。

このほかビズリーチでは、市場価値の高いエンジニアになるために、従業員が過ごしやすいオフィス環境を整え、社内外の人を招いた勉強会を開催できる空間も用意しています。その象徴が、オフィスに作った「海」と「ガーデン」です。

波の音が心地よい海は、床に本物のサンゴの砂を2トン敷き詰め、海水は3DCGバーチャル・リアリティで演出。海辺の丘を越えると、人工芝を敷き詰めた緑のガーデンが広がります。

こんなリラックスできる環境の中で、夜になると毎日のようにエンジニア向けの勉強会「Swiftもくもく会」や「Androidヒソヒソ会」が開催されています。社外の方も多く参加いただいていますので、ぜひ遊びに来ませんか? ビズリーチのエンジニアと一緒に、オーシャンビューで語り合いましょう!

【プロフィール】ビズリーチ広報 伊藤 綾:1983年生まれ。長野県出身。メーカーでの研究開発職、営業、事業企画職を経て、2013年にビズリーチに入社。現在は広報とエンジニアの採用を担当。ベンチャー企業の魅力を日々PRしている「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。