スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションは、2015年のスポーティングレギュレーションを発表した。この中では予選方式の小変更をはじめ、細かな変更が加えられている。
●予選方式はノックアウト継続。Q1に変化
近年スーパーGTでは、予選ではQ1/Q2のノックアウト方式が採用されているが、今季もこの形式が採用される。Q1はGT500、GT300とも15分間行われ、GT500が8台、GT300が13台Q2に進出することになる。その後10分間のインターバルを挟み、両クラスとも12分間のQ2を実施しポールポジションが決定。GT300とGT500の間には8分間のインターバルが置かれる。
そんな予選の中で、今季変更になったのはQ1だ。まずGT300クラスの15分間が行われた後、昨年まではそのままGT500ボードが提示され即座にGT500がコースインしていたが、今季はGT500のQ1スタートまでに5分間のインターバルが設けられることになった。
手順としては、GT300の終了とともにチェッカーフラッグが提示され、ピットロードの信号が赤に。5分間のインターバル後、GT500ボード表示とともにピット信号が緑に。この時点でGT500車両のファストピットレーン進入が許可される。
昨年までは、GT300のQ1終了前後にGT300車両がコース上でストップしたりしたケースがあった場合、GT500がいったんコースインした後ピットに戻ったり、GT500のQ1が赤旗によりディレイしたりしたケースもあった。今季から5分間のインターバルが設けられることにより、それらのケースは少なくなりそうだ。
●ファンには朗報。プロモーションの規則変更も
スーパーGTのスポーティングレギュレーションには、同時に『プロモーション規則』というものも記載される。これはレースのプロモーションのための肖像権や、レースの認知度向上に向けてエントラントに求めるものが記載される。
今季新たに追加されたものとして、公式スケジュール中のピットウォークやキッズウォークの際に、必ずGTマシンのフロント側をピットロード側に向けなければならないことになった。これまではエンジンルームの目隠しやピットシャッターの閉鎖は禁止されていたが、エントラントによっては「見られたくない」フロント側からピットに入れているシーンもよく見られたが、これは今後禁止となる。
ファンにとってピットウォークは、お金を払ってマシンやドライバーに近づける大事な時間であり、せっかくマシンを見てもリヤエンドでは少しガッカリしてしまう。この規則制定は朗報になりそうだ。
●その他にも細かい変更多数
GT300車両のうちFIA-GT3車両については、昨年の最終戦もてぎで発表されたブランパン耐久シリーズを運営するSROモータースポーツグループとの提携により、性能調整(BoP)はSROが定めたものを基準にGTAが定めたものが採用される。JAF-GT300車両はGTAがBoPを定める。
また、シャシーの交換は原則として認められず、もしシャシーを交換した場合はペナルティが課せられるが、FIA-GT3車両で、メーカーもしくはチューナーからのデリバリーの遅れに起因して2015年シーズン中にシャシーの交換が行われた車両についてはこのペナルティが適用されないことが明記されている。
細かい部分ではさらにさまざまな変更がある。スポーティングレギュレーション上、公式予選が行われる前にオーガナイザーは公式練習の時間を設けなければならないが、昨年までは『最低2時間』と明記されていた公式練習の時間が、今季は『最低1時間45分』に変更されている。
さらに細かくセーフティカー進行、レースの赤旗後の再開方法なども記載された。また、決勝レースでのブルーフラッグ提示時、「周回遅れもしくは周回遅れにされようとしている車両に対し青旗が提示された場合、当該ドライバーは即座に後続の車両に追い越しをさせなければならない」という条文が追加されている。
興味深い部分では、「ピット作業において、作業エリア外から長尺の道具等を使用して物品を受け渡しする行為は禁止される」という条文が追加されている。ピット作業に関わる人数は7名までと明記されており、これまで棒を使って“8人目”のスタッフがピットボックス内からドリンク等を渡したりというケースもあったが、これは禁止されることになる。