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北原みのりさんが「ろくでなし子事件」の心境を告白「まさか自分が逮捕されるとは」

2015年02月17日 13:11  弁護士ドットコム

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「女性と性」をめぐる論客として知られる作家・北原みのりさんが2月17日、ネットで発言を再開した。これまでブログやツイッターなどで積極的に発言してきたが、昨年12月にわいせつ物公然陳列の罪で逮捕された後、沈黙を守っていた。その北原さんが逮捕後初めてブログを更新し、逮捕のときの状況や心境を語った。


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北原さんは自ら経営する店舗に、女性器を石こうでかたどった「ろくでなし子」さんの作品を展示していたとして、昨年12月3日に逮捕され、同月24日に「わいせつ物公然陳列罪」で罰金30万円の略式命令を受けていた。



●「逮捕されるとは全く思ってもみなかった」


北原さんは、自ら運営する「ラブピースクラブ」のサイトで連載しているブログを、「ご無沙汰してしまいました。自分でも想像していた以上に、書き始めるのに時間がかかってしまいました」と書き出した。



そして、昨年7月にろくでなし子さんが逮捕された際、警察が自分の店のショールームにやってきたことや、その日を境に一度はショールームを閉じたことなどを振り返りつつ、「まさか、自分が逮捕されるとは全く思ってもみなかった」と告白した。



●「私はわいせつとは思っていなかったが、警察がそう判断するなら仕方ない」


さらに、逮捕されたあとの対応について次のように説明し、今回の決断が苦渋のものだったという思いをにじませた。



「私の弁護人は『今回3つのメニューがあります。1、徹底的に闘う 2、闘わない 3、ゆるく闘う どれにしましょう?』と提示してくれ、私は3を選びました。『私はわいせつとは思っていなかったが、警察がそう判断するなら仕方ない』という方針でした。それは最も現実的な提案であり、重たい提案でした。現実的であるのは、経営者として従業員とお客様を守るために。重たいというのは、作家として『闘いが長引く』のを引き受けることを意味するからです」



「逮捕された以上、すでに強制的に闘いを引き受けなければいけないのですが、であれば『性器はわいせつかどうか』という本質的な議論ではなく、私が今まで考えて紡いできた言葉で、具体的に慎重に闘っていきたい。それがとてつもなく長く重い闘いになるとしても」



●「言葉紡いでいくのが、私の戦いだと決めた」


また、北原さんは「逮捕は厳しい体験でした」と振り返った。



「私の名前は大好きな祖母と同じ「北原」にしていたけれど、その名前も汚されたように感じました。名が汚される・・・って保守的な言いっぷりですが、文字通り、社会的に貶められ、国から切られ、世間から捨てられるのが逮捕という経験です。名前がなくなっちゃった感じなのです。私が持っていたもの、いろんな安心や安全が、国家による暴力で、一瞬でなくなっちゃった」



そのうえで、次のように決意を表明している。



「性に関するお仕事をしているばかりに簡単に逮捕され、フェミ的発言をするばかりに嘲笑される。でもそれも全部私が引き受けなくてはいけないこと。その事実に身体が強ばりました。



でも、そうも言っていられなくて。とにかく、考えていく、紐解いていく、言葉紡いでいくのが、私の闘いだと決めたのだから、ここにも定期的に書いていきます。よろしくお願いします」



ブログの全文は「ラブピースクラブ」のサイトで読める。


http://www.lovepiececlub.com/lovecafe/minori/2015/02/17/entry_005630.html


(弁護士ドットコムニュース)