WRC世界ラリー選手権に参戦するフォルクスワーゲン・モータースポーツは、WRCスウェーデンの全ステージを完走したヤリ-マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)を、サービスパークへ向かう道中でリタイアさせた。次戦メキシコでアドバンテージを得るための措置とみられている。
WRCのレギュレーションには、チームは“関連付けられたラリーに、おなじトランスミッションとスペアパーツを使用して”出場しなければならないと記載されているが、リタイアした場合はペナルティなしに新しいパーツを投入できるとされている。ラトバラの場合、ラリー・スウェーデンには、ラリー・メキシコとラリー・アルゼンチンが関連付けられていた。
ラトバラはWRCスウェーデンで、ポイント圏外でフィニッシュし、ボーナスポイントが与えられるパワーステージでもポイントを獲得することができなかった。これを受けてチームは、ラトバラをリタイアさせると決定。全ステージ終了後、サービスパークへ向かう道中でマシンを停めさせた。これにより、ペナルティなく第3戦メキシコで新品のトランスミッションを投入し、ギア比などのセッティングを変更することが可能になる。
ラトバラはデイ1でミスをしたあと、残りのラリーをテストに利用。大きな発見をしたと語っている。
「個人的に、ポジティブな要素が一切みつけられなかった」とラトバラ。
「金曜日にミスをしてから、ラリーの結果に関して発言するのを避けてきた。しかし、あのミスのおかげで、セットアップをいくつか試すことができたよ。その結果、重要な発見をすることができたんだ」
「新型のポロR WRCが優れていることを確信できた。まだシーズンは始まったばかりで、先は長い。ラリー・メキシコでの出走順は、ぼくにとって有利なものだ。優勝するために全力を尽くすよ」
チームメイトのセバスチャン・オジェが開幕2連勝を達成したことで、ラトバラはポイントランキングで34点差の4位となっている。