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なぜ? SGT/SF参戦のNAKAJIMA RACING、ゼッケン『64』復活の理由

2015年02月14日 14:30  AUTOSPORT web

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NAKAJIMA RACINGがゼッケン64を使用するのは2003年以来。写真は03年SUGOのMobil1 NSX
13日、ホンダは2015年のモータースポーツ活動計画を発表したが、スーパーGT、スーパーフォーミュラの参戦ドライバーのゼッケンを見て「!?」と思った方も多いだろう。それは、NAKAJIMA RACINGのゼッケンが従来の『31』『32』から『64』『65』に変更されていたからだ。

 国内モータースポーツでは、チームごとに縁のあるゼッケンが数多く存在する。例えばトムスの『36』やインパルの『12』、チームクニミツの『100』等、ゼッケンを言えばチーム名が出てくるくらいその歴史は長い。スーパーGT500クラス、スーパーフォーミュラに長年参戦するNAKAJIMA RACINGは、2004年からは『32』をエースナンバーとしており、それ以前は『64』だった。

 この『64』は1990年代中盤から使われてきたゼッケンで、由来はふたつ。ひとつは、中嶋悟代表がF1にロータスから参戦していた1989年、最終戦のオーストラリアGPで大雨の中、ファステストラップを記録したのが64周目……というもの。『雨の中嶋』の代名詞となったレースの記念すべき周回数に由来する。実はもうひとつ由来があるのだが、これは「ちょっと言いづらい」理由とのことで、「ナイショ」とのこと。

 長年『64』で参戦してきたNAKAJIMA RACINGだが、2004年に突如としてエースナンバーが、ちょうど半分の『32』になった。この年はJGTC全日本GT選手権では、タイトルスポンサーが現在のエプソン販売に変わった年だ。

 この『64』から『32』への変更にも理由がある。JGTCでは3ケタまでゼッケンが認められるが、64というのは比較的大きな数字。レースでは毎戦公式プログラムが作成されたり、エントリーリストが作られるが、当然その並びは番号順。プログラムでもページは後ろの方になる。

 当初は「ゼッケンは後ろでも、成績で前に行くぞ!」という意気込みで使っていたが、プログラム等の場所を中嶋代表が嫌がった……というのが『32』への変更の理由。以降、スーパーGTでは『32』、フォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラでは『31』、『32』というのがチームのゼッケンだった。

 それが今年、ふたたびエースナンバーが『64』に戻ることになった。今季、チームではスタッフの変更等もあり、“心機一転”の一年になるという。そこで、ふたたび『64』に戻し、気分も一新して臨もう……というのが理由なのだ。

 今季NAKAJIMA RACINGでは、スーパーGT、スーパーフォーミュラとも中嶋大祐、ベルトラン・バゲットというふたりで臨む。すでにテストが進んでいるスーパーGTでは「非常に良い手応えで走ることができている(大祐)」と好感触を得ている。心機一転、成績も一気に上向いていきそうだ。