ニッサン/ニスモは12日、今年のWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間に投入するニッサンGT-R LMニスモのドライバーとして、日本でも活躍するミハエル・クルムと、ニッサンGTアカデミー出身のルーカス・オルドネス/ヤン・マルデンボロの3名を起用すると発表した。
今年、16年ぶりにスポーツカー耐久レースのトップカテゴリーに復帰することになるニッサン。FFレイアウトという革新的なコンセプトのニッサンGT-R LMニスモをLMP1クラスに投入し、トヨタ、アウディ、ポルシェとともに総合優勝を争うことになる。
GT-R LMニスモのドライバーとしてはこれまで、松田次生、マルク・ジェネ、オリビエ・プラ、ハリー・ティンクネルの起用が明かされており、今回の発表で9名中7名が決まることとなった。
新たに起用が発表された3名のうち、オルドネスとマルデンボロはともにニッサンGTアカデミーの出身。その初代ウイナーでもあるオルドネスは、昨年はスーパーGT300クラスにフル参戦し、B-MAX NDDP GT-Rを駆ってタイ戦で初優勝。今年は、次生とともにル・マンで3台目のニッサンGT-R LMニスモをドライブするほか、スーパーGT500クラスにもステップアップし、第1戦~第3戦でD'station ADVAN GT-Rをドライブすることになった。
「ニッサンGT-R LMニスモとニッサンGT-RニスモGT500でレースをするという電話をもらった時は、GTアカデミーで勝った時のような喜びがよみがえった」と、体制決定の喜びを語ったオルドネス。
「新しいシーズンをこんなにワクワクした気持ちで迎えるのは初めてだよ!」
マルデンボロは、2011年のGTアカデミーウイナーで、昨年はGP3シリーズを戦ったほか、レッドブルの育成プログラムにも参加。今年は、ニッサンGT-R LMニスモでのWECへのフル参戦が決まった。
「ル・マンにはLMP2で2回参戦していて、現在のLMP1マシンのこともコース上で間近に見てきた。あんなマシンで今年レースができると思うと、本当にワクワクするよ。ニッサンGT-R LMニスモは歴史に残るレーシングカーになると思うし、それでレースができるんだからね!」とマルデンボロは語っている。
そして、GT-R LMニスモの初テストを行うなど、マシンの開発にも深く携わってきたクルムも、チームへの加入が発表された。長年ニッサンで活躍し、11年にはFIA GT1世界選手権でドライバーズタイトルを獲得した経験ももつクルムは今年、GT-R LMニスモをドライブするとともに、スーパーGTでは第4戦からD'station ADVAN GT-Rをドライブすることになる。
今回の発表にあたって、ニスモのグローバルヘッドオブブランド/マーケティング&セールスのダレン・コックスは次のように語っている。
「ヤンとルーカスは、ル・マンで表彰台に上がっただけでなく、プロフェッショナルなレーシングドライバーの限界を次々と塗り替えてきた」
「一夜にしてつかんだ成功のように見えるが、ヤンやルーカス、そしてニッサン/ニスモは、何年も苦労してニッサンGTアカデミーの勝者全員を育成してきた。その結果が実ったんだ」
「LMP1プログラムでも同じ精神を持ち続けていく。クルムのような経験豊富なドライバーをチームに加えることも、このようなプログラムには欠かせない要素だ」