ハーバード大学の感覚民族誌学研究所による映像作品を集めた『ハント・ザ・ワールド』が、5月から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
美学と民族誌学とのコラボレーションを実験的に推進しているハーバード大学の感覚民族誌学研究所。映画、ビデオアート、音響、写真、インスタレーション作品などアナログとデジタルメディアを組み合わせた作品群は、アメリカ・ニューヨーク近代美術館やフランス・パリのポンピドゥー・センターでも上映されている。
日本で昨年公開された映画『リヴァイアサン』は同研究所に所属する人類学者のルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルが監督、撮影、編集、製作を手掛けた作品で、GoProの超小型カメラ11台を駆使し、仕事に従事する漁師やカモメ、魚などの姿を写し出した斬新な映像表現が注目を集めた。
『ハント・ザ・ワールド』では、日本初公開の『モンタナ 最後のカウボーイ』『ニューヨーク ジャンクヤード』『マナカマナ 雲上の巡礼』の3作品に、『リヴァイアサン』を加えた4作品が上映される。
キャステーヌ=テイラーが監督を務める『モンタナ 最後のカウボーイ』は、羊の群れを引き連れたカウボーイたちが、アメリカ・モンタナ州ベアトゥース山脈を縦走する250キロの冒険を記録したドラマ。『ニューヨーク ジャンクヤード』は、アメリカ・ニューヨークメッツの新球場「シティ・フィールド」の周辺でたくましく生きる移民たちを捉えたドキュメンタリー作品となる。『マナカマナ 雲上の巡礼』は、ヒンドゥー教の聖地マナカマナ寺院に向かうケーブルカーの中の人間模様と、大自然を捉えたドキュメンタリー作品。なお、『モンタナ 最後のカウボーイ』は、映画監督の想田和弘が字幕を監修している。