同い年でも、若く見える人と老けて見える人がいるのはなぜ? その原因のひとつが、体内の「ヒート・ショック・プロテイン(Heat Shock Protein=以下、HSP)」の量の違いではないかとも言われているのだそう! HSPとは、体によくないあらゆるものに対抗してくれるタンパク質なのだとか。
「HSPは人間だけでなく、地球上のすべての生物に備わっているものです。ストレスで傷ついた細胞をもとのきれいな形に戻す働きや、細胞そのものをストレスから守って強くする働きがあります。HSPが少ないと、寿命が短くなるだけでなく、若いうちからさまざまな老化現象が現れる可能性が。虫の実験において、HSPが常に多い状態だと寿命が4割延びるという研究結果も報告されています」と慶應義塾大学薬学部教授の水島徹先生。
そんなHSPを増やして老化速度を遅くする食事法を水島先生に教えてもらおう!
体内のHSPを増やす食生活のポイントは4つ。
◎バランスのよい食事
HSPの材料となる良質のタンパク質を増やすために、1日3食バランスよく食べることが最も重要。
◎キノコ、海藻類を食べる
キノコや海藻にはHSPを増やすβグルカンという成分が多く含まれるので、積極的に摂取して。
◎辛い食べものを食べる
取りすぎは禁物ですが、辛い食べものがHSPを増やすいい刺激に。
◎お酒を飲むなら、まずビールから
アルコールの刺激もHSPを増やす作用が。ただし、先に度数の低いもの(ビールは3~5%)で胃を慣らしておくことが大切。そうすれば、その後に度数10%前後の焼酎や日本酒、ウイスキーなどを飲んでも、胃粘膜細胞がダメージを受けにくくなる。
HSPを増やす食品の研究は盛んに行われているそうなので、近い将来、新たなHSPアップ食材が発見されるかも!
ちなみに、アンチエイジングにはコラーゲンを食べるといいなんてよく聞くけれど、本当なの?
「食べたコラーゲンはすべてアミノ酸に分解されます。コラーゲンを食べたからといってそのままコラーゲンが増えるかどうかはっきりしません。それよりご自身のHSPの働きを高めて、質の高いコラーゲンを作らせた方がいいと思います」(同)
HSPは食事で増やすことができる。食べ方を工夫して、老化スピードの遅い女子を目指してみて!
水島徹慶應義塾大学薬学部分析科学講座主任教授。1990年東京大学薬学部卒業。1992年東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了。スポーツクラブNAS株式会社技術アドバイザー。ヤーマン株式会社技術アドバイザー。厚生労働省科学研究費補助金創薬基盤推進研究事業主任研究員。著書に『42℃温めで素肌美人』(幻冬舎)などがある。【オズモール】