2015年02月11日 11:21 弁護士ドットコム
宮城県に住む男性Mさんは、東京都在住の彼女と遠距離恋愛中だ。月に1回のペースで上京し、彼女とデートする。そのとき、2人が密室でラブラブタイムを過ごすのは、ラブホテルではなく、ビジネスホテルなのだという。
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ポイントは、フロントでチェックされずに部屋までたどりつけるタイプのホテルかどうかだ。Mさんは「シングル」の部屋を予約してチェックインして、彼女が後からやってくる。平均して3時間程度、長いときだと5時間以上、2人の時間を満喫。ビジネスホテルを、いわばラブホテル代わりにしているのだ。
これまでホテル側に注意されて、トラブルになったことはないというが、1人分で予約した部屋を2人で使っても問題ないのだろうか。浮田美穂弁護士に聞いた。
「ほとんどのビジネスホテルは、宿泊約款や利用規則で、外来客を客室内に招き入れることや外来客に客室内の備品・設備を使用させることを禁止しています。
つまり、今回のケースのように、こっそり彼女という外来客を招き入れるのは、ホテルの宿泊約款や利用規則に違反します。ホテルから契約を解除され、宿泊できなくなる可能性があります」
もし見つかったら、追い出されても文句は言えないのだろうか。
「そうですね。追い出されるだけで済めばいいですが、警察に通報される可能性もあります。
常識的には、客室を2人で使用した場合、本来なら2人分の宿泊料を支払わないといけませんね。それなのに、ホテルをだまして、1人分しか支払わなかったということになります。
これは詐欺罪(刑法246条2項)に問われます。また、ホテルをだます目的でホテル内に立ち入ったということで、建造物侵入罪(刑法130条)にあたる可能性もあります」
本人たちに悪気はなさそうだが・・・。
「従業員から止められたことはないと言っても、許されているわけではありません。ですから、1人分しか予約していない部屋をこっそり2人で使うことはやめましょう」
楽しい時間を過ごすのは結構だが、非常識なふるまいからは卒業すべきだろう。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
浮田 美穂(うきた・みほ)弁護士
2002年、弁護士登録。2010年度、金沢弁護士会副会長。2011年から、石川県子ども政策審議会児童福祉部会委員。著書に 「ママ弁護士の子どもを守る相談室」(2013年、一万年堂出版)。
事務所名:弁護士法人兼六法律事務所
事務所URL:http://kenroku.net/