ホンダ青山の本社で行われた報道用の囲み会見で本田宗一郎、そしてかつてのホンダへの憧れを語ったアロンソ 10日午後に東京・青山のホンダ本社で行われた、「Honda F1記者会見/McLaren-Honda 2015」。会見終了後にはドライバー個別のグループインタビューが行われ、フェルナンド・アロンソがマクラーレン入りについて、そして今季に向けての想いを語った。
長年在籍していたフェラーリを離れ、マクラーレン入りを決めた理由についてアロンソは、「勝てる可能性を感じたので契約をかわした。フェラーリにいた5年で2回、シーズン2位という成績があったけど、それでもホンダの方が可能性は高いと感じたんだ。ホンダのロゴが付いたシャツを着たかったしね」。
マクラーレン・ホンダというコラボレーションは、アロンソにとって非常に大きいモノだったようだ。
「子供の頃は“セナ・プロ”がいて、マクラーレン・ホンダが席巻していた時代だ。しかも3歳の時に乗っていたカートは、父親がマクラーレン・ホンダのレプリカにしたんだ。もちろん覚えてはいないんだけど、写真に残っていたんだよ。そのマクラーレン・ホンダが復活するなら、行かない理由はないよね。今回はレプリカではなく、本物のマクラーレン・ホンダのマシンに乗ることができるんだから。父親の夢であり、家族の夢でもあったしね。自分のアイドルだった、セナのように走ることができればいいと思う。まさに“Power of Dreams”だよね」
親日家として知られるアロンソ。日本に関係するチームで仕事をするのは、初めてのことだ。
「僕は日本が本当に好きなんだ。日本の人たちとは初めて一緒に仕事をするけど、来日して、いろいろなところを見て、一緒に仕事をするたびに、さまざまな発見をする。日本人は規律正しく、しっかりと仕事をする。ホンダの人たちの仕事へのアプローチについては、良い意味で驚かされる部分が多い。技術レベルも高いし、働いているスタッフはとてもプロフェッショナルだ。科学の面でもすごく進んでいるから、とても複雑になった今のパワーユニットには、とても活きてくると思う。この技術を活用して活躍できればいいね」
「本田宗一郎はとても尊敬している。モーターレーシングの世界を変えた人物というのは多くはないけど、ミスター・ホンダはそのうちのひとりだ。そういうヒストリーが背景にあるということで、ホンダの魅力が高まっていると思う。宗一郎さんが持っていたような情熱を、ホンダの人たちみんなが持っているように感じるんだ。みんな、モータースポーツが好きだから、ホンダにいるんだということが、よく分かるよ」
先日行われたこのオフシーズン最初のヘレス合同テストでは、満足に走り込むことができなかったマクラーレン・ホンダ。そのため、マシンについてはまだまだ評価できる段階には至っていないという。
「まだテストを始めたばかりだから、マシンのポテンシャルを確かめるところまではいっていない。今は信頼性の確認をしているところなんだ。他のチームは1年前に終えているけど、僕らは今それをやらなくちゃいけない。シーズン中にも細かい問題が出てくると思うけど、それを解決しながらやっていくしかないだろう」
「長期的な目標なら断言できるよ。それは、もう一度ワールドチャンピオンを獲ることだ。いつになるかは分からないけど、これだけは断言できるよ!」
「ジェンソン(バトン)とのコンビはとてもハッピーだ。彼も経験は抱負だし、パワーユニットのドライバビリティを報告して、開発をサポートしていきたい。とても良いチームメイトだと思うよ。彼とのバトルも楽しみだね」