ホンダのF1プロジェクトを率いる新井康久氏は、10日に開かれたF1参戦イベント「Honda F1記者会見/McLaren-Honda 2015」のなかで、パワーユニット関連のトラブルはすでに把握していると語った。
今年からマクラーレンにパワーユニットを供給するホンダは、今月はじめにスペインのヘレス・サーキットで行われた合同テストに、新開発のパワーユニット「Honda RA615H」を搭載したマクラーレンMP4-30を投入し、実戦に向けた本格テストをスタートさせた。
しかし、4日間にわたって行われたテストでマクラーレン・ホンダMP4-30にはさまざまなトラブルが発生。王者メルセデスが2000km以上、他のライバルも軒並み1000km以上を走破するなか、マクラーレン・ホンダは合計79周、距離にして約350kmの走行に留まった。
新井氏は会見において、マクラーレン・ホンダに起こったパワーユニット関連のトラブルについて、次のように説明している。
「大きくわけて、熱害のトラブルがありました」と新井氏。
「今年のクルマはパッケージがタイトなので、冷却系の問題はどうしてもでると思っていました」
「案外、大きなトラブルはありませんでしたが、やはりいくつかの部品が厳しい熱の状態にさらされてしまいました」
さらにもうひとつ新井氏が挙げたのがERSシステムの冷却系の問題だ。
「これは熱そのものではなく、熱のマネージメントをどのようにやるかということで、少し水圧が下がったりしたので、安全を考えてクルマを止めました」
新井氏はすでに原因を把握しており、改善に取り組んでいる最中だと強調した。
「そのへんの原因はすでに把握しています」と新井氏。
「次のテストに向けて、今さくらの研究所でパッケージをもう一回見直しながら、エンジンを作り上げているところです」
「パワーユニット全体のトラブルという点では、大きなトラブルは出ていません」