フランス西部自動車クラブ(ACO)は、ル・マン24時間耐久レースにおけるエントリー数の上限を現在の56台から60台に拡大する方針を明かした。ただし、具体的なピット増設の工程表などは決まっていないという。
ル・マン24時間では現在、従来のエントリー数だった55台に加えて、新技術を志向したマシンのための特別枠“ガレージ#56”を加えた56台がエントリー可能。ただ、今年はガレージ#56への参戦はなく、従来の4クラスでの合計56台がエントリーリストに名を連ねた。
そんな中ACOは、エントリー数を60台まで拡大するとともに、ピットレーン出口/ダンロップシケインの方向にピットエリアを広げてピット数を確保することを計画。ただし、これを実行するためにはパルクフェルメの移転が必要となり、工事が大掛かりとなってしまうことから、実際の段取りなどはまだ組まれていない。
「パドックエリア全体にわたって影響を及ぼす大きなプロジェクトだ」と説明するのは、ACOのスポーティングマネージャーを務めるビンセント・ボーメニルだ。
「仮にピットを増設する場合、パルクフェルメを移転させる必要がある。そうなると、その他のものも動かすということになる」
「だから、いつそうなるかを話すことはできないんだ」
またボーメニルは、60台以上への拡大は計画していないのだと語った。
「我々の考えでは、60台というのが手の届くちょうどいい数字だと思っている。それ以上はないだろう」
ちなみに、ル・マン24時間では、1955年の大惨事(※クラッシュしたメルセデスベンツ300SLRのエンジンや車体が観客席に降り注ぎ80名以上が死亡)以降、56年からは参戦台数を60台から55台に減少させている。事故以前、実際に60台まで達したのは、50年、51年、53年、そして55年の4度のみだ。