園子温監督・脚本の新作映画『リアル鬼ごっこ』が、7月11日から全国で公開される。
2001年に発表された山田悠介の同名小説を原作にした同作。全国の「佐藤さん」が鬼に殺されるという設定で話題を集めた原作は、2010年以降、数回にわたる映画化やドラマ化が行われている。園監督のオリジナル脚本で映画化される今回は、姿の見えない「ストーム」、豚の顔をした花婿、マシンガンを撃ち放つ女教師の大群などが鬼として登場し、原作の「佐藤さん」に代わって全国の女子高生が命を狙われる様を描く。
鬼に狙われる女子高生役で同作に出演するのは、修学旅行中に観光バスの中で突然「瞬殺ストーム」に襲われるミツコ役のトリンドル玲奈、豚の顔をした花婿と結婚式を挙げさせられるケイコ役に篠田麻里子、マラソンの大会中にマシンガンを乱射する女教師に追われるいずみ役の真野恵里菜。なお、同作のキャストは全員女性になるとのこと。
トリンドルは園監督について、「緊張の毎日です!ですが、監督の演技指導はわかりやすくて、勉強になります。一見怖そうに見えがちですが、お話ししていてもちゃんと微笑んでくれるので安心しています。笑 空き時間には色々なお話をしてくださいます。つい最近は、魔女や吸血鬼のお話を!」とコメント。
篠田は「最初にお話を聞いたとき、思わず『私ですか?』と聞いてしまったぐらい驚きましたが、本当にうれしかったです。アクション映画をいつかやってみたくて、個人的にキックボクシングを習いにいっていたくらいなので、今回3人の中でも逃げるだけでなく、自ら戦っていくヒロインができることもとても嬉しく思っています。ワクワクしすぎて、決まった時から、早く誰かに言いたくて言いたくてしかたありませんでした」と同作への出演が決まった喜びを語っている。
5月に公開を控える園監督の映画『新宿スワン』にも出演している真野は、「園組作品に入ると、現場の空気で『あ、園組だ!!』とすごく感じます。現場は何が起こるかわからないスリル感があって毎回ドキドキしてとても楽しいです。ただ、正直今回の撮影が、今までで一番過酷でした」とコメントしている。
■ 園子温監督のコメント
「リアル鬼ごっこ」というタイトルにインスパイアされ、前からやりたかったこと、企画が途中で中断し結実しなかった作品のプロットを2つ3つ導入し、脚本を書きました。今、連続して、『ラブ&ピース』『ひそひそ星』と、オリジナルを作っていて、この作品もオリジナルストーリーとして3本目になりますが、前2本とも僕のファンが期待しているようなグロテスクな作品ではないので、そういう意味では、この作品はみんなが僕に求めているもの、期待している園子温作品を久々に出せると思います。
トリプルヒロインの3人とも、みなさんが思っている、例えば「トリンドルさんだったらこうでしょ」という像は破壊され、新鮮な新しい彼女達が見えるかと思います。彼女達にとっても今後、役どころが増えていくような幅の広がりが日々見えています。できあがった人とできあがっている芝居を再確認するよりも、みんなが知らない人を発掘して驚かせたり、今までよく知っている人なんだけどまったく違うイメージで驚かせるという方が楽しくて、彼女たち3人は今そんな感じです。