WEC世界耐久選手権に参戦しているトヨタは、2015年仕様のTS040ハイブリッドで今年2度目となるテストを1月末に実施。英AUTOSPORT.comは、2台体制で行われたこのテストには、小林可夢偉やジャン-エリック・ベルニュも参加していたのだと伝えている。
昨年のWECでは、ル・マン優勝こそ逃したものの、8戦中5勝を挙げてダブルタイトルを獲得したトヨタ。今年は「さらに改良」されたTS040ハイブリッドの2台体制でシーズンに臨むことを発表しており、1月半ばにポールリカールで15年仕様のマシンを初テスト。そして1月末には、スペインのモーターランド・アラゴンで2度目のテストを実施した。
15年仕様の2台体制で行われた1月末のテストには、2号車のドライバーとして名を連ねる3名(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)が参加。また、トヨタの2015年モータースポーツ活動発表会に参加するために日本にいた1号車の3名(一貴/アンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブエミ)に代わって、可夢偉、ベルニュ、そして昨年はレベリオンからLMP1-Lクラスを戦っていたマティアス・ベッシェがドライバーとして招待されている。
TMGのテクニカル・ディレクターを務めるパスカル・バセロンによると、チームはここまで2度のテストで「そこそこの距離」を走行しているという。
「進歩もあったし、すべてが上手くいっていてうれしいよ」とバセロン。チーム外から3名を招待したことについては、まだ発表されていないテスト/リザーブドライバーのためのセレクションではなく、あくまで2台で走行を行いたかったためだと強調した。
ただ一方でバセロンは、3名のうちひとりをテスト/リザーブドライバーに起用する可能性も示唆している。また、昨年の富士戦からラインナップを外れているニコラス・ラピエールに関しては、契約は続いているものの、チーム内での役割は割り振られていないのだということだ。
なお、ライバルのアウディも先日、アラゴンで15年仕様車両のテストを実施。LMP1プログラムを率いるクリス・レインケによると、新仕様のマシンでの初走行となったこのテストは「心強い」結果になったと語った。
トヨタ、アウディともに現在のところマシンの技術的な詳細は明かしていない。ただ、トヨタは3月末のポールリカールテスト前に、そしてアウディは今月後半にマシンの詳細を発表するのではないかと見られている。