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衆院選の無効もとめる裁判「民主的正当性なき国会は、悲劇であり喜劇だ」原告の弁護士

2015年02月06日 21:21  弁護士ドットコム

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「一票の格差」が是正されずに実施された昨年12月の衆院選は憲法違反だとして、弁護士グループが1都10県・109の小選挙区の選挙無効を求めた裁判の弁論が2月6日、東京高裁で開かれた。弁論は即日結審した。判決は3月19日に言い渡される予定だ。


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この裁判は、升永英俊弁護士のグループが全国295の小選挙区すべての選挙無効を求めた裁判のうち、東京高裁の管轄する地域の分だ。昨年12月14日に行われた衆院選の「一票の格差」は、小選挙区の有権者数が最も多い東京1区と、最も少ない宮城5区で最大となり、2.14倍の格差があった。



弁論後の記者会見で、原告団の伊藤真弁護士は、一票の価値が平等であることが国会議員の正当性の根拠だと指摘した上で、次のように述べた。



「民主的正当性がないところで物事が決められるのは、国民にとって、悲劇であり、喜劇だ。今、国会は安全保障の問題だけでなく、非常に重要な案件をかかえている。そんなときに、国民の意思を離れたところで物事が決められるのは、主権者(=国民)にとって耐えられないことだ」



●選挙無効裁判には「100日ルール」がある


東京高裁の判決予定日は、全部で14ある選挙無効訴訟のうち、いまのところ、どこよりも早い。升永弁護士は「東京高裁は、高裁の中でもとびぬけて影響力が大きい」と指摘し、東京高裁の判決に期待を込めた。



判決は3月19日に予定されている。選挙無効の訴訟は、提訴から100日以内に判決を出すように努めるという通称「100日裁判ルール」が、公職選挙法にはある。東京高裁はこのルールに沿って、提訴された昨年12月15日から100日以内に、判決を出そうとしているとみられる。


(弁護士ドットコムニュース)