WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦しているポルシェは、ル・マン24時間に投入する3台目の919ハイブリッドのドライバーとして、アール・バンバーとニック・タンディを起用することを明らかにした。ふたりは、ニコ・ヒュルケンベルグとともに、19号車ポルシェ919ハイブリッドをドライブすることになる。
昨年からWECのLMP1クラスに参戦しているポルシェは、2年目となる今年のル・マン24時間と、その前哨戦となる第2戦スパに3台目の919ハイブリッドを投入。昨年11月には、そのドライバーのひとりとして、フォース・インディアからF1に参戦しているヒュルケンベルグの起用を発表していた。
ただ、そのチームメイトはなかなか発表されず、ポルシェGTプログラムからの起用が示唆されていた。実際、GTプログラムを戦うドライバーの中から数名が919ハイブリッドのテストに参加。1月にアブダビで行われた15年シーズン最初のサーキットテストでも、フレデリック・マコウィッキ、タンディ、バンバーの3名が919ハイブリッドをドライブしていた。
ポルシェのワークスドライバーとして3年目のシーズンを迎えるタンディは、昨年と今年の2度のテストを経て19号車ポルシェのシートを獲得。一方、昨年12月にポルシェワークス入りした24歳のバンバーは、1月のテスト1回のみでル・マン3台目のドライバーに選ばれた。
ポルシェのLMP1プロジェクトを率いるフリッツ・エンジンガーは「アールとフレッドは同じくらいの速さだった。ただ、アールは世代も異なるし、将来的により大きな可能性をもたらしてくれるはずだ」と語る。
「(アブダビでの)2日目の彼は素晴らしかった。1時間マシンに乗っただけで、LMP1のレギュラードライバーたちと同等のレベルに達していたんだ」
またポルシェLMP1チームで監督を務めるアンドレアス・ザイドルは、ヒュルケンベルグとタンディ、バンバーの組み合わせは強力だろうと語る。
「我々がここまで見たところでは、強力な3台目のマシンを保持していると考えている。それはとても重要なことなんだ」
なおポルシェは、各マシンでのドライバーの組み合わせも同時に発表。17号車にティモ・ベルンハルト/ブレンドン・ハートレー/マーク・ウエーバー、18号車にロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブが乗り込む形となり、ラインナップに昨年からの変更はなかった。
ポルシェ・チーム・マンタイから2台のポルシェ911 RSRを投入しているLM-GTEプロクラスでは、ミカエル・クリステンセン/リヒャルド・リエツ組が91号車、マコウィッキ/パトリック・ピレ組が92号車をドライブ。さらにル・マンでは、91号車にヨルグ・ベルグマイスター、92号車にウォルフ・ヘンツラーが加わる予定となっている。