■諸行無常 → “Life is Impermanence” 「諸行無常」とは、「人生は永遠に続かない」という意味だ。諸行とは「諸々の行い」の意味で、「無常」は「常ではない」ということ。これを英語に変えると“Life is Impermanence”になる。
しかし大來さんは、もっと適切に表現する英語があるという。それが“Everything Including Myself is Constantly Changing.”だ。これは「自分自身含めたすべての物事は絶え間なく変化している」という意味で、自分自身ですら不変的なものはないということを示す。確かにそうだ。気持ちも、細胞も、すべては変化する。ずっといいことが続かないように、悪いことも続かない。悪いことがあっても、人生そういうものだと思って進めば、またいいことに巡り合えるはずだ。
■往生 → “Birth into the Pure Land” 「大往生」「往生した」など亡くなった方に使用される、この「往生」という言葉。これは「浄土に往き生まれる」という意味で、英語では“Birth into the Pure Land”と表現される。
特筆すべき点は、「往生」を「死ぬこと」と捉えるのは、日本特有だということだ。そもそも日本では「仏になること」を「死ぬこと」と考える。「往生」の本来の意味は、「仏になりさとりを開くために、仏の国に往き生まれること」であり、そこから「死」をイメージさせる言葉になってしまった。
「浄土」とはまったく苦しみのない理想郷のこと。そこに生まれるのだから、実はポジティブなのである。「死」をどう捉えるかにもよるが、仏教用語の「往生」は悪い言葉ではない。「生まれること」なのだ。