ヘレスでのF1合同テスト4日目最終日、ジェンソン・バトンがマクラーレン・ホンダMP4-30のステアリングを握り、トラブルに阻まれながら35周を走行、テストを締めくくった。エンジニアリングディレクター、マット・モリスは、ヘレステストで十分な走行を行うことができなかったことは残念だがマシンの基本設計がしっかりしていることを確認できたと語った。
最初の2日間、MP4-30はトラブルのためほとんど走行できず、初日担当したフェルナンド・アロンソも2日目のバトンもそれぞれ6周ずつの走行にとどまり、タイムも最下位だった。
しかし3日目、マクラーレンは午前中から順調に走行、冷却水の圧力が低下したことで走行を打ち切ったものの、アロンソは合計32ラップを走り切った。
翌最終日はたくさんの問題に阻まれながらも、バトンは何度かロングランを行い、その中で空力テストも実施した。午前中にオイルレベルの小さな問題が発生した後、午後には燃料ポンプに起因するトラブルが起き、分析のためにこの日の走行は打ち切られた。
バトンのこの日の周回数は35周、1分27秒660のタイムで8人中8番手となった。
「残念ながら今週はいくつかトラブルが発生した。すべて非常に小さな問題だったが、それが積み重なったことで長時間ガレージで足止めをくう形になった」とモリスは4日間のテストを振り返った。
「それでも今回のテストにおける我々の一番の目標は、マシンの主な基本設計がうまく機能していることを確認することであり、それは成し遂げることができた。このマシンをデザインするにあたり最大のメリットだったのは、ホンダとの緊密な協力関係のもとでパッケージングなどに関して膨大な作業を行うことができたということだ」
「それと共にモービル1の協力にも非常に助けられた。彼らがホンダのパワーユニットのために最適化された特注エンジンオイルをデザインしてくれたおかげで、我々はリヤエンドの冷却の限界を理解し、パッケージングとインスタレーションの面で最大限のものを追求することができ、見事にパッケージされたキットが実現した。このエリアについてはシーズンを通して開発を押し進めていく」
「今日は何度か中断があったものの、空力プログラムを進めることができた。ファクトリーのスタッフのために相関データを集めることができたので、それによってすべてが予想どおりに動いていたかどうかをチェックすることができる」
「さらに、ジェンソンはホンダに対して素晴らしいフィードバックを提供することができた。彼は走行ごとに分析を行ってくれた。当然のことながら新しいパワーユニットなので、大量の情報が日本に送られ、それによってホンダはマシンのアップグレードに貢献し続けていく」
「次のバルセロナにはパッケージをさらに改良し、進化させて臨む」