紳士服大手のAOKIが1月、マイナビスチューデントと共同で企画した「就活 新スタイル」を発表した。サイト上でコーディネート例には、グレーのジャケットにパンツを合わせたビジネスカジュアルなスタイルが提案されている。
就活中のリクルートスーツについては、東洋経済HRオンラインが昨年10月に「リクルートスーツは黒系を選べ!」「黒いスーツならばリスクはゼロ」「ブレザーは基本的にはやめたほうが無難」などと書いて、社会人を含めた読者から「画一的すぎる」「暑い」「入社後に着られない」と批判を浴びていた。ネット世論で潮目が変わったのだろうか。
それでも念のため「ネクタイとジャケットは持ち歩く」
AOKIの広報担当者によると、今回グレーのジャケット提案した背景にあるのが経団連加盟企業の採用活動の後ろ倒しだ。面接などの選考が8月の夏場に本番を迎えることを考慮しているようだ。
「今までリクルートスーツといえば黒でしたけれども、夏場だと暑かったり、季節に合ってなかったりするので、クールビズ対応のリクルートスタイルを提案させていただいております」
AOKIが提案したスタイルは10種類あり、それぞれにマイナビスチューデントが各業界の人事担当者にアンケートした結果を基にした「オススメ業界」も書かれている。
「一社ごとにクールビズの基準は違いますが、多くの担当者がOKを出した業界をオススメとして表示しています」
「グレーのジャケットスタイル」は、ネクタイありの場合は20業界中11業界と過半数の人事担当者が好感を持ったという。11業種は「商社」「マスコミ・広告」から「医療・福祉」「アパレル」「IT」まで幅広い。金融や官公庁などのコンサバティブな企業を受けないのならこれで十分、という学生も多いだろう。
一方、同じスタイルでもノーネクタイだと、推奨業界は「アパレル」「精密機器」「不動産」の3つに減る。これを受けてAOKIでは「カバンの中に念のため、ネクタイを1本常備すること」をアドバイスしている。ジャケットも同様で、一応持ち歩くことをすすめているということだ。
女子用には「七分丈シャツ」の夏用アイテムも
このほかAOKIの提案スタイルには、半袖シャツにノーネクタイといったクールビズ仕様のスタイルが用意されている。女子学生の方も、七分丈シャツといった夏用アイテムに、グレーのパンツスタイルが用意されている。
従来の「黒のリクスー」は喪服にしか使えないという声もあったが、これなら就職してからも毎日の着こなしの中で使えそうだ。就活スタイルもバリエーションがだいぶ豊かになってきたようだ。
リクルートスーツについては、2014年の11月に秋田県の国際教養大学が「夏場に黒のスーツは非効率」として、新卒学生を募集している大手企業に対し、学生の「リクルートスーツ非着用」を宣言している。
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