ヘレスでのF1合同テスト3日目、ダニエル・リカルドがレッドブルRB11の走行を担当した。この日はルノーのパワーユニットにトラブルが発生、走行時間を大幅に失っている。さらに、ルノーの小さな部品に問題があり、連続走行が制限されている状態であることも分かっている。
リカルドが担当した初日、レッドブルにはいくつかのテクニカルトラブルが発生。2日目にはダニール・クビアトがコースオフによりスペアのないフロントウイングを壊してしまったため、予定していた作業を行うことができなかった。
挽回したいレッドブルだが、3日目も走行開始直後にパワーユニットに問題が発生、交換が必要となり、走行時間を大幅にロスした。しかし走行をスタートしてからは順調に周回を重ね、リカルドはロングランにも取り組んでいる。
リカルドは49周を走行、1分23秒901のタイムで8人中7番手となった。
「今日は限られた周回数しか走れなかったけれど、何度かロングランを走れた」とリカルド。
「10周から15周のランができたのはよかったよ。マシンへの理解を深めるのに役立つからね」
「自分たちが他と比較してどの程度速いのかは、まだ判断できない。ライバルたちがどういう状態で走っているのか分からないからだ。でも今日一貫した走りができたのはいいことだよ。今日の走行でいくつか期待が持てる要素を見つけることができた」
リカルドは今年ルノーが大きな改善を目指す上で、序盤のテストがスムーズにはいかないことは覚悟していたと述べている。
「かなり大きな進化がなされていることは分かっていたから、テストでは苦労することになると分かっていた」とリカルド。
「もちろん(メルセデスのように)150周走れれば嬉しいけれど、(パワーユニットの変更などによって)何らかの影響があることは承知の上だった。今の状況は予想していた」
「バルセロナでのテストではもっと向上するはずだ。今週すべてが順調に行くなどとは考えていなかった。次の2回のテストではもっと走りこみたいと思っているし、それができるはずだ」
一方ルノーは、ヘレステストに持ち込んだパワーユニットの「つまらないパーツ」に耐久性の問題があることが分かっているが、今回のテストまでに対策が間に合わなかったと述べている。
ERSのウォーターポンプにかかわる小さな金属製のシャフトに耐久性の懸念があり、その影響でルノーユーザーのレッドブルとトロロッソはロングランの長さが制限されている状態であると考えられている。
ルノーのマネジングディレクター、シリル・アビテブールは、このパーツの問題は先週のダイナモテストで見つかったばかりで、ヘレステストまでに解決することができなかったと述べている。しかしバルセロナでの次回テストまでには完璧に対処するということだ。
「問題が何であり何をしなければならないのかは分かっているが、輸送上の問題で今回のテストに対策を行うことができなかった」
「金属製のシャフトのデザインを見直し、最適化する必要がある」
アビテブールは、このパーツは昨年は全く問題なかったものの、レッドブルとのパッケージングの関係で今年変更したが、「つまらないパーツ」であるため他のパーツほどの詳細なテストを行わなかったと説明している。