WRC世界ラリー選手権第11戦フランスの開催地が、昨年までのアルザス地方から、2008年まで開催地となっていたコルシカ島へ戻る可能性があると英AUTOSPORT.comが報じている。
昨年までの開催地でセバスチャン・ローブの地元でもあるアルザス地方は、ローブの引退により観客が激減。財政難にあえいでいた。
これを受けFIA国際自動車連盟とWRCのプロモーターは、現在ERCの最終戦の開催地となっているコルシカ島での開催を目指し、調整を行っている。コルシカ島は1973年からツール・ド・コルスとしてWRCが開催されてきた場所で、長い歴史をもつ開催地のひとつだ。2013年からERCヨーロッパラリー選手権の1戦に組み込まれており、今季は最終戦の開催地となっている。
コルシカ島での開催には予算が半分ほど足りないとみられているものの、当初の予定通り大会を開催するべく、フランスのモータースポーツ運営団体であるFFSAが資金を提供するものと考えられている。
WRCプロモーターとFIAは、当初の予定通り全13戦を開催することに自信をもっているようだ。WRCプロモーターチーフのオリバー・シエスラは、「私たちは今季13戦を開催すると決定しており、ラウンド数を維持するべく努力している」とコメント。
「開催地のひとつが場所を変更したいと言うのなら、どこが代替地として最適なのか、どこなら我々のラリーを開催できるのかを助言していく」
「島でラリーを開催するというのは、私たちにとって好ましい選択ではない。しかし、私たちはトップレベルのスポーツイベントをプロモートしているのだから、カレンダーを維持するべく妥協する必要があるんだ」
「コルシカ島でラリーを開催していた経験があるから、コルシカ島での開催自体に不満はないんだ」
ローブは自身の故郷であるアルザスで、WRCを開催できたことに感謝を述べている。
「故郷でラリーをする機会が得られたし、もし僕が9回もチャンピオンを獲得していなければ、アルザスでラリーが開催されることは決してなかったと思うんだ」
「いい経験をすることができたよ。素晴らしいラリーができたし、たくさんの観客が来てくれた。でも、次のステップへ進む時期なんだ。素晴らしい時間だったけど、終わってしまったんだ」