マクラーレン・グループCEO、ロン・デニスは、マクラーレンとホンダはF1でトップの位置を目指す上で、リスクを冒し、2015年型マシンMP4-30に完全に新しいテクノロジーを導入したと明かした。
ヘレステストがスタートして2日、MP4-30はトラブルのためほとんど走行できていない。初日担当したフェルナンド・アロンソも、2日目のバトンも、それぞれ6周ずつの走行にとどまり、タイムも最下位となっている。
しかしデニスは、アグレッシブに新しいテクノロジーを取り入れたことによりトラブルが多発しているが、最終的には高いパフォーマンスを引き出せると期待している。
「このパワートレインには今まで存在しなかったテクノロジーが導入されている」とデニス。
「使われたことのない領域に踏み入るときにはある程度のリスクが伴う。それは十分理解している」
「これまで経験してきたトラブルは、エンジンにハードなパッケージングがなされたことから生じるものだ。しかしテストというのは問題を洗い出すための場だ」
デニスは、MP4-30はマクラーレン史上最も優れた造りのマシンであると自信を見せている。
「我々が持つ“サイズゼロ”のフィロソフィーにおいてこのエンジンは不可欠な要素だ。このマシンのリヤは極めてタイトな形状になっている」
「(チーフエンジニアの)ピーター・プロドロモウと彼のチームは極めて詳細な部分に至るまで最大限のメリットを引き出した。コンポーネントを正確に作り込み、その精度は過去のマクラーレンの水準を超えるものだ」
「サスペンションやブレーキダクトなどあらゆるものに正確な空力ソリューションが組み込まれており、それは我々がこれまで成し遂げたことのないレベルのものだ」
「スポーツの世界で(トップに)追いつくには、ライバルたちより早く物事を進めなければならない。そうしなければ追いつけない」
「ある程度リスクを承知で賭けに出たか? そのとおりだ」
「このテクノロジーを導入するのは我々が初めてだ。そのパフォーマンス上のアドバンテージを引き出すために努力していく」
「(開幕戦の)オーストラリアではまだ状況を把握できないだろう。状況が見えてくるのは2、3戦後だと予想している」