インディカー・シリーズは2日、ブラジルの首都ブラジリアで予定されていた2015年シリーズの開幕戦が中止になったことをうけて、いくつか代替の可能性を探ったものの、時間とオプションの不足により、代替レースは開催しないと発表した。
今季インディカーは、2015年の開幕戦としてブラジリアの新設サーキットでの開催を予定。ブラジル人ドライバーも多いシリーズだけにチケットの売れ行きも好調だったというが、プロモーターを務めていたブラジルのテレビネットワーク、バンデランテスから急遽レースが中止になったというリリースが出された。
シリーズではこのレースの代替戦について検討を重ねたというが、時間不足と可能性があるオプションの不足により、この週末に代替戦を行うべきではないと結論づけた。インディカーは今後、チームとドライバーと予定を確認し、テストスケジュールを確定させる。
このブラジリア戦の中止についてAP通信は、公的資金を浪費することに対するブラジル政府の懸念が原因だと伝えている。インディカー開催が「社会に対する最大の利益ではない」とされ、公的資金投入のプライオリティが逆転したという。
サーキットのアップグレードのために1億ドル以上もの資金が必要とされたが、ブラジル当局はこの契約も疑問視。ブラジリアでは2014年に向けてMotoGPの開催が予定されていたが、サッカーのワールドカップ開催へ、エスタジオ・ナシオナル・デ・ブラジリアの改修などに資金が必要になったことから、慢性的な財政難にあると言われる。
この開催中止にあたり、プロモーターはインディカーに対し契約違反として2700万ドルを支払う必要があるとされているが、政府はこの契約はプロモーターとインディカーの間の契約だと主張している。