トップへ

【F1新車】メルセデス「今年は取りこぼさない」W06の信頼性向上に注力

2015年02月01日 19:40  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

メルセデスW06 ハイブリッド。細く絞られたノーズが印象的。サスペンションを見ると、プッシュロッドのアップライト側の付け根が、ホイール中心よりも上方に位置しているようだ
メルセデスのエグゼクティブディレクター(テクニカル)のパディ・ロウが、2015年のマシンF1 W06ハイブリッドのデザインコンセプトについて語った。

 メルセデスは1日、ヘレスで今年初の合同テストがスタートする直前に新車F1 W06ハイブリッドを正式に披露した。

 2010年からワークス参戦を始めたメルセデスは、2014年についにダブルタイトルを圧倒的強さで獲得した。今年もチャンピオン最有力候補と考えられているが、ロウは「我々にとって重要なのは自己満足に陥らないことだ」として、真摯にさらなる向上を目指してきたと述べた。

「今年はレギュレーション変更は比較的少ないが、ヘレスで走る各マシンが昨年型とほぼ同じというわけではないはずだ。今の段階で重要なのは、1年間で学んだことを役立てるだけでなく、競争力のアドバンテージを生み出す可能性のある新しい革新的な要素を探し、それに基づいてパフォーマンス向上において重要なエリアを見つけることだ」とロウは語った。

 2014年から学んだ一番大きな点は何かと聞かれ、ロウは信頼性を向上させる必要性であると答えた。
「2014年、我々が信頼性の問題に何度も足を引っ張られたのは周知の事実だ。ドライバーの片方にトラブルが集中したり、コンストラクターズ選手権争いに影響したりということはなかったが、この問題を解決しなければならないのは明らかだ。どれほど好調に見えても、ポイントを取り逃がす余裕がある状況などありえない」
「信頼性の高いマシンを作るというのは時間のかかる作業であり、そのために力を注いできた。個々の問題を解決するというよりも、多数のパーツとプロセスの質を向上させることが重要だ」

 2015年のF1マシンに関しては新レギュレーションに伴うノーズデザインの変化に注目が集まっているが、メルセデスは基本的には昨年のコンセプトを維持しつつ規則変更に対応したと、ロウは述べた。

「美的問題を考慮してノーズが変わるようなレギュレーションが取り入れられたと広く言われているが、これは誤解である。レギュレーション変更の目的のひとつは安全性を向上させることだ」とロウ。

「この規則の副作用で2014年の残念なデザインが消えることになった。しかし昨年の我々のノーズは他と比べて非常に短く、私の意見では一番魅力的だったと思う。それは2015年も変わらないが、新レギュレーションに従って少し低くなっている。コンセプトはノーズをできる限り短く保ち、ウイングのメインプレーンができるだけノーズより前に出るようにすることだ」

 ロウはまた、冷却面のさらなる向上、昨年シーズン中に行われたFRIC禁止に伴うサスペンションシステムの最適化などに取り組んだと語っている。