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WEC参戦のサード佐藤勝之代表「LMP1、新技術での参戦に繋げていければ」

2015年02月01日 14:30  AUTOSPORT web

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サードがル・マンの総合優勝に最も近づいた1994年のトヨタ94C-V。フィニッシュ直前のトラブルで涙を呑んだ
30日、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)の強豪モランドと提携し、『チーム・サード-モランド』としてWEC世界耐久選手権への参戦を発表したサード。佐藤勝之代表は、「世界耐久選手権を一緒に戦い、LMP1へのステップアップ、将来の新テクノロジーによる参戦へとつなげていければ」と語っている。

 シグマ・オートモーティブとして1973年に初めて日本車としてル・マン24時間に参戦し、1990年代にはトヨタのグループCカーで総合優勝を争ったサード。その後スープラLMやオリジナルのMC8-Rで挑んだが、1997年を最後にル・マンという舞台から遠ざかっていた。

 その後はスーパーGT500クラスのトップチームのひとつとして活躍していたが、2014年から『SARD RACING PROJECT』を立ち上げ、再びル・マンに挑むべく模索を開始。ヨーロッパのチームとコラボレーションするべく、佐藤代表や野田英樹ゼネラルマネージャーがたびたび渡欧。交渉を重ねてきた。

 結果、サードのパートナーとして決まったのは、ELMSのLMP2クラスで上位を争っていたチーム・モランド。「とりわけル・マンへの想いやチャレンジ精神、レースに取り組む姿勢に共感し、今回のジョイントに至りました。彼らのレースへの情熱には敬意を表します」と佐藤代表は語る。

「彼らとなら我々もふたたび原点に立ち返って一意専心、この世界耐久選手権を一緒に戦い、LMP1へのステップアップ、将来の新テクノロジーによる参戦へとつなげていければと考えています」

 また、野田GMは「交渉を始めた時からチーム・モランドとは良い関係を築いてきて、お互いに困難な状況を克服し今回発表することできました。彼らがここ2年ELMSでモーガンシャシーを使用し、優勝を含め表彰台を幾度も獲得しており、信頼に値するものです」という。

「ドライバビリティの良さは大きな武器となるでしょう。今後の我々の新しい挑戦に是非期待してください」

 そんなチーム・サードーモランドのWEC参戦は、2台のモーガンEVO・サードでの参戦となる。サードの伝統のゼッケンである39を背負う1台は、スーパーGTやスーパーフォーミュラに参戦していた嵯峨宏紀がドライブする。

「WECは世界でも最もレベルの高い選手権のひとつであり、実際に好バトルがいつも展開されているレースで、その世界選手権のタイトル挑戦への機会を頂けて非常に光栄です」とWEC参戦実現の喜びを語る嵯峨。

「多くのドライバーが世界選手権への出場を望んでますし、ル・マンは特別な憧れのレース。それに参加ができることをとても名誉に思っていますし、非常にやり甲斐を感じています」

 また、そんな嵯峨と組むことになるのは、元F1ドライバーでスポーツカーレースの経験も豊富なクリスチャン・クリエンだ。

「この2年、ELMSをモランドで戦っていた時から、WECに上がれるようになることが目標だったんだ。スポーツカーレースでの経験が豊富でル・マンでも総合優勝を争ったサードと、ここ2年で実力をつけてきたモランドのコンビネーションチームは、トップチームと成り得ると思う」とクリエン。

「勝利に向けて力を結集して戦っていけると感じているよ。開幕がとても楽しみだ!」