ザウバーは30日、2015年のF1マシン『C34』を正式に発表した。
昨年、F1参戦以来、初のノーポイントと屈辱のシーズンを過ごしたザウバーが、今シーズンの失地回復を目指して新たに開発したC34をリリースした。
今年もマラネロのパワーユニットを搭載するC34は、昨年までのグラファイトから全身をブルー一色で覆い、イエローが施されたサイドポンツーンには新人のフェリペ・ナスルが持ち込んだブラジル銀行のロゴが大きく描かれるなど、大幅にカラーリングを一新してきた。
また、チーム毎に規定の解釈が分かれているノーズは、若干短くはなったものの今年も先端に突起を残すデザインを採用。そのほかでは、昨年型C33よりスリム化されたサイドポッドやタイトに絞り込まれたリヤ周り、インダクションポッド開口部の左右に追加のエアーを取り入れる処理もなされている。
チームは今シーズンに向けてドライバーを一新。昨年、ケータハムをドライブしたマーカス・エリクソンと、2014年のGP2ランキング3位でウイリアムズのテストドライバーを務めていたナスルを起用する。
かつては小林可夢偉も在籍し、エイドリアン・スーティルらがいた昨年までに比べると、経験の浅い彼らふたりの起用は、チームの価値をこれまで以上に下げる可能性もあり、彼らにとっては大きな賭けにもなる。
しかし近年のザウバーは、慢性的な財政難を抱えており、この冬も一時的な資金不足から新車の開発をストップしたと報じられたほか、実際のマシンからも、メキシコ系のスポンサーロゴやフォース・インディアと契約したNECのロゴがなくなるなど、スポンサー事情の厳しさが伝わってくる。
2015年も、財政的な不安を抱えてのスタートとなるが、長年の参戦経験と堅実なマシン開発で、まずは昨年果たせなかったポイント獲得を目指すことになる。
なおザウバーは、2月1日からのヘレステストでC33のパーツを含む暫定マシンを走らせる予定にしている。