2年連続でWRC世界ラリー選手権のチャンピオンを獲得しているセバスチャン・オジェと、WRC9連覇を達成した経験を持つセバスチャン・ローブは、先週開催された2015年WRC開幕戦モンテカルロでのロバート・クビカの速さを賞賛した。
クビカは開幕前に、今シーズンから使用するピレリタイヤのテストを2日間行い、モンテカルロへ出場。ラリー初日に電気系のトラブルからデイリタイアしたため、優勝争いからは早々に脱落したものの、ステージでの最速タイムを2番目に多く記録。最長51.7kmのSS10ではステージ2位に33秒の大差をつける速さをみせ、関係者を驚かせた。
この活躍に対しオジェは「クビカは素晴らしい仕事をしたと思う。多くのステージでトップタイムを記録して、戦う速さがあることを証明した」とコメント。
「でも、クビカが速いことは誰もが分かっているよね。間違いなくベストなドライバーのひとりだから」
ローブは、クビカがオジェに匹敵する速さをみせた理由のひとつに、デイリタイアにより出走順がオジェと近くなったことを挙げている。今季のレギュレーションでは、デイリタイアしたドライバーは選手権ランキングトップのドライバーの直前に出走することになっている。
「クビカは素晴らしかった。衝撃を受けたよ」とローブ。
「デイリタイアして出走順がオジェと近くなり、クビカは路面コンディションがいい状態で出走できていた。これもいいタイムを記録できた理由だと思うよ」
クビカ自身は開幕戦の速さに驚きを隠せず、「数週間前に誰かがモンテカルロでこんなに速く走れるって教えてくれても、まったく信じなかったと思うよ」と語っている。
速さをみせていたクビカだが、最終ステージ直前のSS14でブレーキトラブルが発生。壁に激しくクラッシュしたため、開幕戦モンテカルロを完走することはできなかった。
「あのアクシデントは、とても不可解なものだったよ」とクビカ。
「最終日の走行前に、ブレーキパッドとディスクを交換したんだ。交換直後のステージで煙が出たりはしていたけど、交換した部品から出てるんだろうと思ったんだ」
「そのあと長いダウンヒル区間を走り終えたら、ブレーキペダルがフロアに届くようになってしまった。ノッキングのような前兆もまったくなかった。最終的にはハンドブレーキで、スピードを落とすしかない状況だったよ」