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「後藤さん解放のため真の交渉を」ジャーナリスト団体がイスラム国と日本政府に要望

2015年01月28日 12:01  弁護士ドットコム

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イスラム国の日本人人質事件をめぐり、海外の紛争地帯などで取材活動をおこなうフォトジャーナリストやビデオジャーナリストでつくる「日本ビジュアル・ジャーナリスト協会」(JVJA)は、ウェブサイトで「後藤健二さんの解放を求める緊急声明」を公開した。日本語のメッセージに加え、アラビア語と英語で、イスラム国と日本政府に向けて、両者が「真の交渉を行うこと」を求めている。


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同協会は、イスラム国とみられる武装グループが二人の日本人を人質にして身代金を要求する動画を公開した1月20日、イスラム国と日本政府に向けたメッセージをウェブサイトで発信した。さらに、人質のうちの一人である湯川遥菜さんが殺害されたとみられる動画が公開されたのを受け、1月25日に「緊急声明」を公開した。



日本語の緊急声明の全文は、以下の通り。



●後藤健二さんの解放を求める緊急声明


私たち日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)は、「IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明」で2人の解放を呼びかけてきましたが、湯川遥菜さんが殺害された可能性が高いことから、以下、緊急メッセージをイスラム国および日本政府に届けたいと思います。



1月24日にインターネットに投稿された湯川遥菜さんの遺体とみられる写真を持つ後藤健二さんの画像を見て、私たちは悔しさと残念さでいっぱいです。暴力では何も解決しないと声明を通じて訴え続けてきましたが、残念ながらその願いは踏みにじられました。



しかし私たちは、残された後藤健二さんの解放を求めて、引き続き訴え続けます。イスラム国と日本政府が真の交渉を行うことを求めます。公開された画像と音声メッセージによると、イスラム国は日本政府との交渉を呼びかけていますし、日本政府も人命を最優先すると明言しています。両者の非暴力による対話は、十分に可能なのです。



最後になりましたが、湯川遥菜さんが殺害されたことが事実であれば、ご冥福を祈ると同時に、彼の犠牲が最後となることを祈ります。また今も戦渦に直面するすべてのアラブの人たちが、苦難から解放されることを心より願います。



2015年1月25日


日本ビジュアル・ジャーナリスト協会 (JVJA)


(弁護士ドットコムニュース)