1月19日、Jalopnikというサイトがアメリカのオースティンで行われたテスト走行画像をスクープし、その独特なフォルムに注目が集まっているニッサンのLMP1カー『ニッサンGT-R LMニスモ』。現在のところこの撮影された画像以外はないが、これらの情報をもとに、編集部が予想CGを作成した。
昨年WEC世界耐久選手権へのフル参戦が発表され、1999年のR391以来、ひさびさにル・マンにワークス参戦することになるニッサン。フラッグシップである『GT-R』の名が冠されるこの新LMP1については、開発の拠点をアメリカに置き、「日本のDNAをルーツとしたグローバルなプロジェクト(ニスモ宮谷正一社長)」として進められている。
ただ、この新LMP1はGT-Rの名を冠していることから、「FRレイアウトになるのではないか」という推測が世界中で巻き起こっていた。そんな中、アメリカで開発が進められるニッサンGT-R LMニスモと思われる車両の走行シーンがスクープされたが、通常のLMPカーと異なり非常に長いフロントをはじめ、特徴的な印象の画像が掲載されており、噂に拍車をかけた。
これらの画像は望遠レンズで狙ったのかかなり鮮明度が低かったが、特徴は分かる。そこで、編集部ではこれらの情報をもとに予想CGを作成した。グリル部分は市販のGT-Rを活かした形状で、市販車のプロモーションを考えた観点からも納得がいく。ヘッドライトも最新のGT-R同様のデザインで、これらの印象で“GT-R顔”となる。
フロントはかなり長くなっており、フロントエンジンを感じさせる。グリルから入ったエアはボディ上面に流れ、現在のLMPカーのトレンドである、ノーズから左右フェンダーの間を通しサイドにエアフローを流す仕組みとは異なる。当然ミッドシップである他のLMPカーは車両後端に向けてうまく空気を流しダウンフォースを得ようとしているが、このあたりの考え方が実車での最大の注目ポイントと言えるだろう。
おそらくエンジンはコクピット手前に置かれることになるはずだが、ここで気になるのはエンジンのサイズ。エアフローを考えるとかなりコンパクトなものになると思われるが、昨年ZEOD RCで搭載したエンジンは、全長400mm、全高500mm、重量40kgと、ニスモ宮谷社長がひとりで持てるほどのコンパクトさだった(ちなみに、スカイラインGT-Rに搭載されていたRB26DETTエンジンは255kg)。こちらも実際のエンジン画像が公開されるのを待ちたい。
前後フェンダー上のエア抜きの穴、シャークフィン等はレギュレーションで定められているものなのでおそらくこのままの形状のはず。一方で、他のLMPカーはシャークフィン前方にエンジン吸気用のインテークがあるが、これがないことからもFRであることを予想させる。キャノピー周辺の造形は、ひょっとするとよりGT-Rをイメージするものになるかもしれない。
スクープ画像でも出ていたとおり、給油口はコクピット後部。また気になるのは、ハイブリッドユニットの搭載位置だ。こちらも重量があるため、なるべく適正な位置に搭載しておきたいところだろう。
『GT-Rでル・マンに勝つ』という目標を与えられ、2015年にル・マンに復帰するニッサン。GT-R LMニスモの公開は、現在のところ正式なアナウンスはされていないが、2月1日のスーパーボウルのCM内ではないかという噂もある。いったいどんなディテールのマシンになるのだろうか……!?