「2015年に働きたい会社ランキング」の1位に輝いたグーグル。誰もがその一員になりたいと思う憧れの企業ですが、その人気に水を差すような噂が出ています。
米ビジネスインサイダーによると、グーグルの元社員が1月15日、ツイッターでこんな衝撃的な投稿をしたことが話題になっているそうです。
「多くのグーグルのエンジニアたちは、ボーナスが出たら会社を辞めたがっている」
「転職するなら、もう少し待ってみて」の意味
このツイートは、現在BeeswaxのCEOを務めるアリ・パパロ氏が、ベンチャー投資家でこちらも元グーグル社員のハンター・ウォーク氏に反応したもの。ウォーク氏はその直前に、こうつぶやいていました。
「大企業に勤める人は、1月に辞める人が多い。でも、次のグーグルのボーナスまで待った方がいい」
もうしばらくしてグーグルでボーナスが支給されると、エンジニアが退職してポストがたくさん空くから、転職活動はそれまで待つといいよ、というアドバイスなのでしょうか。
記事の中で別のベンチャー投資会社も、2015年に株価の巻き返しがなければ、グーグルを辞める人は増えていくだろうと予想しています。
確かに2014年9月19日には596ドルだったグーグルの株価は、12月16日に495ドルまで下がり、年末年始は回復したものの、年明け12日には492ドルまで再び急落しています(ただし記事公開直前の1月23日には、540ドルまで値を戻しました)。
シリコンバレーの会社では、社員に現金以上に株式で報酬を支払う場合も多く、株価によって社員のモチベーションが変動することも珍しくありません。株価が下がるということは、報酬が減るということを意味するからです。
なぜ株価が下がっているのか、正確な理由は分かりませんが、元社員は厳しい状況に置かれてきた2014年にもまして、グーグルの業績は更に酷くなるだろうと記事で語っています。
「広告収入の伸び率」の鈍化が背景?
これは別の記事に書かれていたものですが、最近では欲しいものがあるとグーグルではなく、直接アマゾンで商品を検索して購入する人が増えているという調査結果があります。この顧客行動の変化が、広告収入に影響を及ぼしているようです。
アマゾンを利用して商品を検索する人は、2013年から14年にかけて47%も伸び、その一方で14年第4四半期のグーグルの広告収入の伸び率は、過去6年間でもっとも低い伸び率を記録しています。
先日グーグルの古参幹部で上級副社長兼最高事業責任者だったニケシュ・アローラ氏が、日本のソフトバンクに移籍するニュースがありましたが、これも上記のことが背景にあるのかもしれません。ちなみに彼は、昨年3月に350万ドル(日本円で約4.1億円)ものボーナスを受け取っていました。
読者の皆さんは、このタイミングでグーグルへの入社に挑戦したいと思うでしょうか。それとも先行きが不安で入りたくないと思うでしょうか。人によっていろいろと考えが分かれるところかもしれません。(文:沢水 蛍)
(参照)Ex-Googler: 'Tons Of Engineers' Want To Leave Google (Business Insider)
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