ビジネスを成功させるためには、組織と顧客に「価値」を与える人材を確保することが必要です。現場で働く従業員であれ最高経営責任者であれ、ビジネスに付加価値を与えることが必要ですが、その価値はどうやって測定するのでしょうか。
ピーター・エコノミー氏が米Inc.に寄稿した記事によると、ビジネスコンサルタントで作家、トレーナーでもあるサイ・ウェイクマン氏が、著書「The Reality-Based Rules of the Workplace(現実に基づいた職場のルール)」の中で、「組織にもたらす価値」を評価する調査項目をあげているのだそうです。(文:夢野響子)
上司が決めた以上の「自分の目標」を設定しているか?
「組織にもたらす価値」を持つ人材とは、高い給与や早い昇進機会を与えられるだけではなく、窮地に陥ったときに会社が守ってくれる人のことでしょう。組織でそのようになりたい人たちに対して、ウェイクマン氏はこう説いています。
「ただ期待に応えるだけではダメ。普通にやっているだけでは十分でないときは、地に足の着いた価値のあるプレーヤーであることが、ますます重要になってくるのです」
これだけではよく分かりませんが、彼女が作成した以下の質問について、正直に1(最低)から5(最高)の点数をつけてみましょう。そうありたいという願望ではなく、あなたの現在のパフォーマンスをそのまま評価するのです。
1.欠勤や遅刻をせずコンスタントに仕事をして、成果を上げているか?
2.毎年、前年よりも向上しているか?
3.目的をもって前進しているか。過去の実績に頼っていないか?
4.業務時間の多くを、トップパフォーマーたちと過ごすようにしているか?
5.与えられたタスクをこなすだけでなく、自分のイニシアティブ(自発性)を加えて行動しているか?
6.上司から決められたゴール(目標)を超えた、自分なりのゴールを設定しているか?
7.自分のパフォーマンス(仕事ぶり)に対するフィードバック(評価)を、定期的に上司や同僚に求めているか?
8.自分のパフォーマンスは、同僚より秀でているか?
9.他人とうまく協力し、よい仕事上の関係を築いているか?
満点に近づけるモチベーションをどう高めるか
合計点数は最低で9点、最高で45点になりますが、45に近いほど組織にとって価値があることになります。自発性を重視するところや、協調性の質問を最後に持ってくるところなどはアメリカらしいです。
他より低い点数の質問があったなら、「改善のためのロードマップ作りに使ってください」とウェイクマン氏はいいます。例えば、質問6(自分のためのゴールを設定しているか)に2点をつけた人は、上司の設定した目標より高い目標を定める努力が必要なのが分かる、というわけです。
「あなたには、組織にもたらす価値を向上させる力があるのです。ぜひそれを発揮してください」
ウェイクマン氏は、こう呼びかけます。しかし雇われ労働者の身としては、満点に近づける努力をするモチベーションを、どう高めていくかが問題になるでしょう。頑張れば給与が上がるのか、給与が高いから頑張れるのか…。悩ましいところです。
(参照)9 Surprising Ways to Be More Valuable to Your Employer (Inc.)
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