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ズボンの上から「股間付近」を触っていたら逮捕! ポケットに手を入れるのもダメ?

2015年01月21日 13:51  弁護士ドットコム

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電車に乗っている女子大生の目の前で、自分の股間付近を触っていた男性が逮捕された――。そんな事件が昨年12月下旬、神奈川県で起きた。逮捕されたのは県警の警部補で、逮捕容疑は神奈川県迷惑防止条例違反(卑わいな言動)だという。


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報道によると、男性はその日の午後6時ごろ、小田急江ノ島線の車内で女子大生の前に立ち、約20分にわたり自分の股間付近をズボンの上から触った疑いがもたれている。しかし、本人は「そんなことはやっていない」と容疑を否認しているという。



今回の逮捕についてネット上では「前ポケットに手を入れていただけでも、逮捕される可能性があるってこと?」と疑問の声が上がっている。何が逮捕の決め手となったのだろうか。刑事事件にくわしい布施正樹弁護士に聞いた。



●「卑猥な行動」とはなにか?


「逮捕の根拠となった神奈川県迷惑行為防止条例が禁止しているのは、



(1)公共の場所または公共の乗物において、


(2)人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で、


(3)卑わいな言動をすること



です。おそらく他の自治体にも、ほぼ同じ規定があるものと思われます」



何が「(3)卑わいな言動」に当たるのだろうか。



「法令で明確に定義されているわけではありません。ケースごとに、社会通念に照らして判断するしかありません。しかし、単に股間付近を触ったというだけで、直ちにそれが『卑わいな言動』に当たると解することはできないでしょう。



というのも、股間付近がかゆくて掻いたとか、ズボンの前ポケットに入れた物を取り出そうとした場合など、性的な意味は全くなくても、股間付近に手が行くことはあり得るからです」



●総合的に「わざと卑猥な行為をしている」と判断


では、なぜ今回は、逮捕に至ったのだろうか。



「問題となるのは、逮捕された男性が約20分にわたり、股間付近を触っていたとされている点です。男性が具体的にどう触っていたのかは分かりません。しかし、これだけの長時間、股間付近を触り続けていたとすれば、それが何らかの性的な意味をもつ行為であり、『卑わいな言動』に当たる可能性が高くなります。



たとえば、男性があえて、女性が座っている座席の前に立ってこのような行為をしていたり、空いている電車でわざわざ女性の前を選んで立っていたとなれば、なおのこと、そう言えるでしょう」



ほかにも、2人の位置関係や電車の混み具合など、逮捕に踏み切る要素がたくさんあったのかもしれない。



「今回のケースは、総合的に『わざと卑猥な行為をしている』と判断できる様々な事情があり、条例違反に当たるとして逮捕に至ったのでしょう」



布施弁護士はこのように締めくくった。どうやら、股間付近を触ったから逮捕、という単純な話ではなさそうだ。


(弁護士ドットコムニュース)