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やめて欲しいな! 仕事の依頼で「メッセージアプリ」を使う人

2015年01月21日 11:40  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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PCサポートなんて稼業をやっておりますと、FacebookのメッセージやTwitterのDM、LINEで「仕事の依頼」をしようとする人たちが最近増えているのに気づきます。

どうやらLINEで退職願を送るのも「ふつー」と考える人たちもいるようですが、あの手のメッセージはタスクが管理しにくく、契約書などの添付ファイルも送りにくいので、私個人としては仕事に使って欲しくないと思います。(文:光明隠歌)

手軽さゆえに「安易な依頼」も多くなる

ああいう人たちは、なぜきちんとしたメールアドレスで仕事を頼まないのかなと思うのですが。理由のひとつは、仕事を受ける立場を考えていないということですね。

その手軽さで安易に仕事の依頼をしておいて、いざ報酬の話をすると「無料でやってくれるんじゃないの?!」という方もメッセージ利用者には多い気がします。

もう1つの理由らしきものが分かるケースが、最近ありました。「社員には任せにくい書類作成とネットワーク周りあれこれ」の業務をやるという個人契約を結んでいる、とある会社の社長さんとの話です。

社長さんがあまりIT系に詳しくないので、役所に出す提出書類の作成をパソコンで手伝って欲しいというのが当初の契約内容でしたが、最近は社長さんが個人で所有している機器の設定管理などもお受けしております。

いつもどおりその会社でお役所向け書類のチェックをしていると、「ねー、聞いていい?」と社長さんがご自分のスマホを持ってきました。

「会社のメールアドレスあるじゃん? 自分のメールって、鍵かけて自分しか見られないように設定できる?」

この会社では、某レンタルサーバで独自ドメイン設定のウェブサイトやメールを運用しているのですが、マスターパスワードは社内のシステム担当が知っております。それを使うと、サーバで運用しているメールボックスの中身をすべて見ることができてしまうのです。

「会社の業務とは関係ない仕事とかあるからさあ。あんまり社員に覗かれたくないんだよ、そういうメールを」

「システム管理者を回避したい」のも分かるけど…

確かに社長は色々と付き合いがありますゆえ、業務に関係のない内容のメールなど、システム担当の社員(実は息子さんだったりする)にも見られたくないのでしょう。ではケータイメアドなどを、と思った私に社長さんはこうおっしゃいました。

「だから最近はそういうやりとり、FacebookのメッセージやLINE使ってるんだよ」

ほう……。身近にいたよ、LINEでお仕事のやりとりする人! 私との連絡は電話なのですが、会社関係のシステムには管理者がいるので、それを回避できる方法が必要なわけですね。

メッセージアプリで仕事の依頼をする人の中には前述の「気軽さ、安易さ」のほかに、「秘密のメール」が誰か他の人に知られてしまうかもしれないと不信を抱く人がいるようです。

「でも、めんどくさいんだよね、LINEとかさ」
「既読とかつきますしねえ」
「で、ドコモのメアドだとファイルが送れないってよく言われるんだよね」
「大きなファイルはそうですねえ」
「Facebookだと個人別にメッセージ見るから、誰に何を頼まれたか分からなくなるんだよ」
「あー。確かにそうですねえ」
「あと、最近のFacebook、変な人多いからさあ」
「……」

結局、あと数週間で買い換えるという新しいスマホにGメールの設定をしてあげて、そのアドレスでやりとりするということになりました。フリーメールの類の信頼性は必ずしも高くないという指摘もありますが、お金が絡むお仕事の依頼に関しては、少なくともメッセージ系アプリよりふさわしいと思います。

それにしても社長さん、「社員に覗かれたくない」メールって、後ろめたい情報ではないでしょうね。マズイ取引には加担したくありませんよ…。

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