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ミキティ「成人式」出席を禁じられた思い出を告白 「アイドル」なら仕方ないのか?

2015年01月21日 11:11  弁護士ドットコム

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マネジャーから成人式への出席を禁止された――。ミキティの愛称で知られるタレントで元「モーニング娘。」メンバーの藤本美貴さん(29)が、成人の日の1月12日、このようなエピソードをブログにつづり、話題になった。


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ブログによると、藤本さんは当時、写真撮影のために出身地の北海道に来ていて、成人式の開催日は休暇をもらっていた。その際、マネジャーに「地元の成人式、行ってもいいですか」と電話で聞くと、「誰もついて行けないから、危ないから行かないで」と言われたという。



それでも行こうと思っていたところ、マネジャーから再度、「藤本のことだから内緒で行こうとしてると思うけど、本当にダメだからね」と念を押す電話がかかってきたそうだ。



当時、藤本さんはアイドルとして人気絶頂の時期だったので、マネジャーの心配も理解できないわけではない。しかし、スケジュールが空いているにもかかわらず、一生に一度しかない成人式に出席させないことは、法的に問題ないのだろうか。太田純弁護士に聞いた。



●マネジメント契約を実質的に検討する必要あり


「アイドルのプライベートな時間について、所属事務所がどれくらい管理・制限できるかは、両者の間で結ばれたマネジメント契約の内容と性質を、実質的に検討する必要があります」



太田弁護士はこう切り出した。一般論として、どのようなところにポイントがあるのだろうか。



「まず、そのマネジメント契約が、単なる雇用契約にすぎないのか、より対等な事業主どうしの関係に立つ契約なのかによって、管理や制限が認められる範囲が異なります。



一般的に、雇用契約の性質が強い場合は、プライベートな領域を制限することがむずかしくなります。



また、契約がいずれの性質を有するかにかかわらず、プライベートな領域への制限が認められるには、前提として、契約上、その根拠となる規定が設けられている必要があります。



そのうえで、実際の制限の目的や手段の相当性、目的と手段の合理的な関連性があって初めて、プライベートな領域を制限することが認められると考えられます」



●目的もなく、一律に禁止することはできない


ざっくりいうと、アイドルと事務所の間で結ばれた「契約」によっては、アイドルのプライベートな領域に対する「制限」が認められるケースもあるようだ。太田弁護士は説明をつづける。



「アイドルの髪形や服装、容ぼうや体型の維持、趣味・嗜好などについて、一定の制限を課すということも、イメージの維持や起用された番組、CMとの関わりのなかで、必要かつ相当であれば、認められることがあります。こうしたことは、一般的におこなわれています。



アイドルのプライベートな時間に対する管理や制限についても、基本的には、目的と手段の両面から検討する必要があります。そうすると、何の目的もなく、一律に『成人式にでるな!』と禁止することはできないでしょう」



そのような禁止が認められるケースはどんな場合だろうか。



「多くの来訪者が予想される場所で、事故やトラブルに巻き込まれると、本人だけでなく事務所も、大きな損害をこうむります。制限の『目的』として、安全配慮は理解できます。



問題は、制限の『手段』が妥当であるかどうかです。



それは、タレントの知名度や、その時点での仕事状況など、さまざまな要素の絡んだ総合的判断となりますので、一概に言えることではありません」



結局、どう折り合いを付ければいいのか。



「成人式の直前では判断が間に合わないこともありますし、アイドルのパフォーマンスの維持向上には、プライベートの充実や私人としての領域も必要ですので、日ごろから、両者間でよく話し合っておくことが重要です」



藤本さんが当時所属していた「ハロー!プロジェクト」の後輩グループ「アンジュルム」(旧「スマイレージ」)の和田彩花さん(20)も今年1月12日、仕事のために成人式に出られなかったことを「生涯、根に持ち続けます」とブログでつづっていた。恨み節が出てこないようにするためにも、アイドルにしっかり納得してもらうことが必要になりそうだ。


(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
太田 純(おおた・じゅん)弁護士
訴訟事件多数(著作権、知的財産権、労働、名誉棄損等)。その他、数々のアーティストの全国ツアーに同行し、法的支援や反社会的勢力の排除に関与している。
事務所名:法律事務所イオタ
事務所URL:http://www.iota-law.jp/