日本のオトコの姿が、大きく変わりつつようだ。野村総合研究所が15~69歳の男女3095人を対象に調査したところ、20代男性は30~50代の男性と比べて「酒、タバコ、ギャンブル」を全くやらない人がずっと多い、という結果が出たという。
30~50代では「どれもやらない」と答えた人が24.6%だったのに対し、20代では44.3%。その差は20ポイントもある。調査元のコンサルタントは、20代以下の男性のボランティア活動への興味が高いことを交え、「いまどきの若い男性の『優等生化』してきているのではないか」と評している。
草食批判に「何が悪いの?」と冷ややか
好きなこと・習慣にしていることとして、年代別で最も大きな差がついたのが「タバコ」で、20代で16.5%、30~50代で25.8%だった。同様に「宝くじ」(8.4%/16.6%)、「競馬・競輪・競艇」(6.3%/10.2%)、「クルマ・バイクいじり」(11.4%/14.4%)も差がついた。
まるで「草食化している」と言わんばかりの結果だが、若いネットユーザーは「何をいまさら」と冷ややかな反応だ。酒もタバコもギャンブルもやらないに越したことはなく、批判される筋合いはないというのだ。
「酒タバコギャンブルってダメ人間の象徴じゃねえかw」
「知的レベルが確実に上がってきてるな」
「『こんな不健康な事、危険な事はやらないようにしましょう』って散々叩き込まれて、その通り実行しているだけ」
いずれも中毒性があるものといわれており、今どきの若者は「依存症じゃないってだけだろ」と積極的に肯定するコメントも。健康や家計にも悪影響を与えかねず、「合理的に考えたらおかしい」という反論にも説得力がある。
30歳以上の世代からも、「全部やらない方がいいもんばっかりだよ」「今の若い子は本当にマジメで賢いよね」とこの傾向に好意的。
「父親や旦那で嫌な思いをしていれば、育てる息子にやらせるわけがない」
という意見もある。ただ、年収の低下傾向を受けて「単に貧乏なんだろ」とつぶやく人もいた。
「別の依存症」にハマる人が増えている?
その一方で、これらに親しんで来た人からは「何が楽しくて生きてるんだ」と、若者のお金の使い方を怪訝に思う年長者のコメントもある。これに対して、
「代わりの依存症が出来たんだよ。ネット、アニメ、ゲーム、美味いもの。 安くてドーパミンが出るものがあるならそっちに移るのが普通」
「今はネット、スマホ、ソシャゲじゃないかな」
といった回答や、AKBなどのアイドル関係を挙げる人もいた。
これら若者の新しい趣味にも中毒性があり、ハマると高くつくものもある。アニメやアイドルのグッズに大金をつぎ込んだり、ゲームの課金で高額請求を受けたりといった事例もたびたび報じられている。
「各人好きなことして楽しく生きろ。お互い他人の趣味にケチつけんな」
という人もいるが、趣味は時代を反映するもの。「酒、タバコ、ギャンブル」と同じように、「ネット、アニメ、ゲーム」の愛好家が、いつか下の世代から時代遅れと呼ばれる日が来るのだろうか。
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