お笑いコンビ、ドランクドラゴンの鈴木拓さん(39)が、テレビのインタビューで語った「努力論」がネット上で話題となっている。
鈴木さんは、1月11日放送のバラエティ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」(日本テレビ系)で、24時間ぶっ続けでインタビューを受ける企画に挑戦。現在の「無気力キャラ」になった理由について聞かれ、「サッカーですね、今を決定づけたのは」と語りだした。
努力は無駄にならないというのは「キレイゴト」
鈴木さんは、中学高校時代にサッカー部に所属。そこで6年間「血反吐を吐くような思い」で努力したが実を結ばず、「才能のないものを努力したところで何の意味もない」ということを痛感したという。
すかさずインタビュワーが「結果につながらなくても努力は無駄にならないと言われますけど」と問うと、鈴木さんは「絶対にあんなもん違います」と即座に否定。
「自分の好感度を上げるためのキレイゴト。センスのないものは努力などするな、ですね」
鈴木さんにとってサッカー部での経験は本当に決定的だったらしく、2013年にイベントに出演した際も、青春時代のトラウマについて聞かれ「才能がない」と回答していた。
サッカー部では最後まで補欠で一度も公式戦に出ることができず、以来才能がないことを努力するのをやめた。サッカーも嫌いになったという。
「ガキ使」で話した鈴木さんの努力論は、ネット上ですぐに話題になった。2ちゃんねるやツイッターなどでは「これは正論」「金言ですね」と称賛する声があったものの、反発する声も少なからずある。
「何もしないで腐っているよりは、目標に向かって必死に努力していたほうがいい」
「才能云々は、ただ単に自分の努力不足・実力不足を認めたくないがための保身の言い訳じゃないの」
お笑いだけは「努力して面白くなるというものでもない」
仮に結果として形に出ないとしても、努力した経験によってメンタルが鍛えられて後の人生に生きてくるという考えや、そもそも最初に努力をしないとその分野で「才能があるのかないのかすら分からない」という指摘もある。
「その精一杯努力した過程があって才能がないと気付いたんだから。人生に於いては努力は無駄でなかったと言えると思う」
しかし「血反吐を吐くような思い」で6年間を過ごした屈辱は、本人にしか分からないのかもしれない。もっとも鈴木さんも努力自体を否定しているわけではなく、趣味でブラジリアン柔術を何年も続けており、かなりの腕前となって自分に自信がついたと語っていた。
それでは、現在お笑い芸人としてテレビで活躍していることについては、「才能があった」と認めているのだろうか。この点について鈴木さんは、2008年のブログで「難しいもので努力して面白くなるというものでもございません」と書いている。
一見投げやりに見える「センスのないものを努力するのは無駄」という言葉も、自分の適性がある分野で努力した方が充実感を得られる、という意味で捉えた方がよさそうだ。
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