トップへ

年収1075万円以上、職種限定の「高度プロフェッショナル労働制」厚労省が新制度案

2015年01月16日 21:01  弁護士ドットコム

弁護士ドットコム

記事画像

厚生労働省は1月16日、労働政策審議会の分科会を開き、特定職種で年収1075万円以上の労働者に対して、働く時間ではなく成果に基づいて賃金を支払う「ホワイトカラーエグゼンプション」を導入する骨子案を示した。1月招集の通常国会に、労働基準法の改正案が提出される見込みだ。


【関連記事:下着みせて「チラっしゃいませ」 女子高生が働く「ガールズバー」が摘発されたワケ】



●「新しい名前がつきました」


ホワイトカラーエグゼンプションは、時間に縛られず、柔軟な働き方を実現するものとして、2007年の第1次安倍政権で議論になった。長時間労働を招く「残業代ゼロ法案」として批判され、頓挫したが、現在の第2次安倍政権で再び議論が本格化した。



この日、配られた報告書骨子案では、ホワイトカラーエグゼンプションのことを「特定高度専門業務・成果型労働制」と呼んでいる。通称は「高度プロフェッショナル労働制」になる見込みだという。分科会では「新しい名前がつきました」と事務局から説明があった。



日本の労働現場では、長時間労働に対する批判が根強いことから、制度の対象となるのは、専門性が高く、時間と成果の関連性が強くない職種に限定された。具体的には、金融商品のディーラーやアナリスト、コンサルタント、システムエンジニアなどが対象となる。ただし、導入には本人の同意が必要とされた。



さらに、長時間労働を防止するために、労使の合意のうえで、年間104日の休日取得や、1カ月間の在社時間の上限設定、就業から翌日の始業までに一定の休息を取ること、のいずれかを選ぶことになった。



今日の分科会では、労働者側の委員が、長時間労働の防止策について「『一定時間の休憩を取る』と言われてもイメージがわかない。具体的な目安を明確にするべきだ」と要望した。使用者側の委員は対象職種について「さまざまな新しい職種が出てきている、個別の話し合いで対象職種を決めるべきだ」と述べた。



(弁護士ドットコムニュース)