ホンダは12日、デトロイトで開催されている2015年北米国際自動車ショーで、市販バージョンとなる新型アキュラNSXを初公開した。
ホンダNSXは、1990年から2005年まで生産された初代に続き開発されていたもので、これまで2012年に本格的なプロトタイプが登場。ミッドシップのV6ツインターボエンジンに高効率・高出力の3モーターハイブリッドシステム『スポーツハイブリッドSH-AWD』を組み合わせたスーパースポーツカーとして2015年の市販化が予定されていた。
このNSXについては、初代同様スーパーGT参戦が予告され、ホンダの伊東孝紳社長は12年のモータースポーツ活動発表会で、14年から導入される新規定に合わせNSXの参戦を表明。スーパーGTでは本来GT500クラスはFRレイアウトだったが、ミッドシップ化し14年から『NSXコンセプト-GT』として5台が参戦していた。
そんな中、13年の東京モーターショーでの発表等を経て、ついに1月12日からのデトロイトショーで、『アキュラNSX』として市販バージョンのNSXが姿を現した。市販モデルはV6ツインターボ+SH-AWDに、9速デュアルクラッチミッションが組み合わされ、四輪の駆動力を自在に制御するトルクベクタリングを可能とする、電動式四駆システムを搭載している。
気になるエクステリアは『Interwoven Dynamic』をテーマに、エキゾチックなフォルムと、スーパースポーツの機能性を高次元で融合。安定性を高めるダウンフォースの発生や、エンジン冷却のための効果的なエアフローマネジメントなどの機能性を表現しており、オハイオの最先端の風洞実験施設でテストを重ね、高い空力性能を達成しているという。
また、世界初のオールアルミボディのスーパーカーだった初代NSXのDNAを継承し、革新的な複合素材ボディーを採用しボディの大幅な軽量化と高剛性を実現。インテリアは格段に優れた前方視界や、カラー液晶ディスプレイによる優れた視認性を実現したメーター、シンプルで直感的なインターフェイス、サポート性や乗降性に優れた人間工学に基づくシートなど、ドライバーが運転に集中できるデザインを実現している。
北米では2015年後半から市販がスタートする予定で、アメリカでの販売価格は15万ドル(約1789万円)とされている。2015年からホンダはF1にも復帰するが、NSXはホンダのスポーツイメージを牽引するフラッグシップモデルとなる。今後、市販車販売に合わせ、スーパーGT500クラス車両も『NSXコンセプト-GT』から『NSX-GT』に名称が変更される可能性もあり、クルマ好き、モータースポーツファン待望の市販化と言えそうだ。