アドバンタイヤの開発を務める織戸学、谷口信輝が東京オートサロン2015の横浜ゴムトークショーに出演。タイヤの開発話、そして今季の意気込みを語る……はずが、最後はライバル心むき出しのトークバトルに発展した。
織戸はアドバンネオバAD08の開発に携わるが、その織戸のコンセプトはこうだ。
織戸:一番目指したのが、タイヤ屋さんでアドバンAD08を買って、タイヤを交換してお店を出て、最初の交差点で曲がった時に『タイヤ換えて良かったなあ~』って思ってもらえるタイヤ。もう、『俺がここにいるんだ』と4つのタイヤがドライバーに訴えてくるような、換えた瞬間にバシッとくるフィーリングが僕らの開発テーマ。
同じくアドバンのタイヤ開発に関わる谷口は、また違った視点でユーザーにアドバイスを送る。
谷口:僕がみなさんに言いたいのは、各タイヤメーカーとも、いろいろタイヤの種類がありますけど、『どのタイヤも同じだろう』と思っている方が大半だと思うんです。そこはちょっと改善したい。やっぱりそのメーカーの色だとか、考えていること、開発者とか開発ドライバーの想いがすごく込められて作られているので、その中身へのこだわりは、それぞれまったく違う。クルマにとって地面に設置している部分はタイヤだけなので、そこはすごく重要に思ってほしい。タイヤの選び方と空気圧の管理。これは本当に安全のためにも徹底してほしいと思います。
そしてやはり気になるのが、ふたりの今シーズンのレース活動について。
織戸:まだ今年、具体的な方向性は決めていませんが、とにかく自分なりに、自分らしくサーキットで暴れたいなと思っています。とにかくね、僕の目標は谷口の前を走ること。これがまずテーマです。谷口の悔しそうな顔を見ることが、僕とって若さをキープする秘訣でもあるので。
谷口:僕は今、決まっているのがスーパーGT300クラスで、グッドスマイルレーシングで初音ミクちゃんを纏ったZ4ではなく、クルマをメルセデスのSLSにチェンジして2連覇を目指して戦います。そしてもうひとつ、去年と同じく神戸トヨペットさんのチームで86/BRZレースにも出て、2連覇を目指します。ていうか、獲ります。GTも86レースも、チャンピオンを獲ります。
織戸:あまり獲りすぎると、嫌われるよ。
谷口:僕の目標は今年、嫌われたいと思います!
織戸:その谷口をやっつけることが僕の目標です。
谷口:『谷口には誰も敵わない』と思われるように頑張りたいと思います!
織戸:『谷口に敵うのは織戸しかいない』と思われるように頑張ります。
このふたりのやりとりには、会場からも笑い声が。ちなみに、谷口は現在GT300で通算16勝。最多記録を持つ新田守男の18勝に、あと2勝で並ぶ。MCからその谷口に通算勝利数の記録更新の話が出ると……。
織戸(通算6勝):まあまあだな。
谷口:ずいぶん、上からだったなあ(笑)。一番上、意識はしています。優勝回数1位を目指して頑張りたいと思います。
トークショーの最後のあいさつも……
織戸:マックス織戸でした。
谷口:チャンピオン谷口でした。
と、最後の最後まで張り合いながら会場を後にした。