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F1スーパーライセンスポイント制度にルノーが抗議。政治的変更との声も

2015年01月10日 13:20  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

フォーミュラ・ルノー3.5 ポール・リカール
ルノーが、新たなF1スーパーライセンス発給基準に不満を持ち、FIAに対して話し合いを求めている。

 FIAは来年に向けF1スーパーライセンス発行の基準を厳格化することを決めた。

 昨年12月に発表された規則により、有効な運転免許を持っていること、18歳以上であること、F1のスポーティングレギュレーションに関する知識を有していること、現行あるいは最近のF1マシンで300kmのテスト走行を行うこと、マイナーフォーミュラにおいて最低でも2年間参戦した経験があることが条件になることが明らかになった。

 さらに今週、FIAは新たなライセンスポイントシステムの詳細について発表、ドライバーはライセンス申請前の3年間に40ポイント以上を獲得していなければならないことが分かった。
 与えられるポイントは各シリーズとランキングによって決められており、タイトル獲得により40ポイント以上が与えられるのは、ポイント対象となる11シリーズのうち、将来のF2、GP2、F3ヨーロッパ選手権、WEC(LMP1)、インディカーのみとなっている。


 ルノーは、フォーミュラ・ルノー3.5と2.0に与えられるポイントが低いことに不満を持っている。スーパーライセンスのポイント配分において、FR3.5はF3ヨーロッパ選手権より下位、FR2.0はF4より下位に設定されている。
 この発表に驚いたルノーは、変更を求めてFIAに接触したといわれている。

 FIAは12月の時点でルノーを含むマニュファクチャラー側に対し、スーパーライセンス・ポイント制に関してはジュニアシングルシーターの上層部と協議した後、2015年を通してシステムの検討を行う予定だと述べたという。
 ルノーは今週発表されたポイントシステムに変更の余地があるのかどうかを確認したいと考えているようだ。

 ルノーがパートナーチームに送った書面には「我々のチャンピオンシップを守るための機会を絶対に逃さない」と記されていたという。


 GP2、FR3.5、フォーミュラEでチームを運営しているDAMSのボス、ジャン-ピエール・ドリオは、各選手権のプロモーターが話し合いを行い統一見解を出すべきだと述べた。
 ドリオは、今のポイントシステムはFR3.5に不利に働くかもしれないが、GP2に参戦する金銭的余裕のないドライバーはFR3.5に来るだろうとの考えを示している。

 しかしFR3.5に加えて最近FR2.0のプログラムをスタートしたストラッカ・レーシングの代表ダン・ウォルムズリーは懸念を示し、「この決定に驚いた。ドライバーを引き付けるのが難しくなるかもしれない」「FR3.5はF1にステップアップするためのシリーズとして信頼を確立しており、F3のシーズンに比べてはるかに価値がある」と述べた。

 一方、GP2、FR3.5に加え、F4をベースとしたイギリスのMSAフォーミュラでの活動をスタートしたアーデン・モータースポーツのスポーティングマネージャー、ジュリアン・ラウズはFIAの決定を基本的には支持しており「驚いたがポジティブなアイデアだ。ジュニアカテゴリー全体の助けになるだろう」と話しているものの、新システムに不満を持つ者がいるのは確かだと認めている。


 複数のシングルシーターカテゴリーに参戦する、あるチームの上級スタッフは、英国AUTOSPORTに対し、FIAが各選手権のランク付けをした根拠について疑問を抱いているとコメントした。

「明らかに政治的な動きだ」とその人物は述べた。
「彼らは選手権の数を制限したいと考えているのだ。そうでなければFR3.5とGP2の間にこれほど点差がある理由が分からない。論理的な説明ができないのだ」