2015年01月07日 22:41 弁護士ドットコム
日本マクドナルドの人気商品チキンマックナゲットにビニール片が混入していた問題が、年明けに発覚して以降、立て続けに「異物混入」が報告されている。日本マクドナルドは1月7日午後、東京都内で緊急の記者会見を開き、関係者や顧客に迷惑をかけたことを謝罪し、信頼回復を誓った。
【関連記事:<マクドナルド異物混入>取締役が「謝罪会見」 ビニール片や歯など4件を報告】
ただ、「海外出張」を理由にして代表取締役のサラ・エル・カサノバ社長は姿を見せなかった。また、会見した二人の取締役の説明も、具体的なデータについては不明瞭な回答が多かった。記者から、繰り返し「異物混入の件数」を問う質問が出たが、「明らかにできない」という答えに終始した。
会見では、昨年夏から今年初めにかけての4つのケースについて説明があったが、そのうちの3件は昨年12月19日から今年1月3日までの約2週間に起きたものだ。短期間に異物混入が続いて発覚したことを受け、ネット上などでは「どこまで問題が広がるのか」と不安視する声が見られる。記者からは、「異物混入が年間どれぐらいの規模で発生しているのか」を問う質問があいついだ。
日本マクドナルドホールディングスの青木岳彦取締役(上席執行役員)は「異物混入は他にもある」としつつも、全体に影響があるような重大なケースではない場合、基本的に公表しない方針だと説明した。
また、「異物混入の問い合わせ件数」がどれぐらいあるのかを問う質問に対しては、「お問い合わせは非常に多くあるが、それが具体的にどういう問題だったのかを調査するためには、いろいろなプロセスがある。それを一概に何件という形で申し上げることは控えさせていただく」と回答した。
記者たちは「数百件なのか、数十件なのか」「異物混入の件数は過去と比べ、増えているのか減っているのか」など、質問を変えてたずねたが、青木取締役は「数字を申し上げることは、控えさせていただく」と繰り返した。
海外との比較についても、日本マクドナルド・菱沼秀仁取締役(上席執行役員)が「アメリカのマクドナルドと比べて、異物混入は少ないという認識」と説明するにとどまった。
年間約10億人の顧客が訪れるという日本マクドナルド。会見で同社は「異物混入ゼロを目指す」と、高い目標を掲げた。青木取締役は「お客様に、より安心感をもっていただくためには、結果で示すしかない」と述べたが、記者からは「今後も異物混入の発生件数を公表しないなら、客側には取り組みの結果がわからないのでは?」という疑問の声が出た。
青木取締役は「ひとつひとつの案件が個別の内容を含んでいて、それに対していろいろな見方ができる。事実がどこまでなのかについても、いろいろな見方がある。そういったことを踏まえて、正確な情報が何かというと、そこは議論が生じるので、我々としては全体としてどうかという議論ではなく、個別の問題にどう対応していくかという形で、お客様に接していきたいと思っている」と答えていた。
(弁護士ドットコムニュース)