1月24日~25日に、アメリカのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで開催されるユナイテッド・スポーツカー開幕戦ロレックス・デイトナ24時間に、藤井誠暢、星野敏のふたりが、名門フライングリザード・モータースポーツから参戦することになった。
1973年に初開催された伝統のデイトナ24時間は、NASCAR等でお馴染みのデイトナ・スピードウェイのオーバル区間とインフィールドを使用し争われる。例年1月に開催され、昨年からはグランダムとアメリカン・ル・マンが統合し誕生したユナイテッド・スポーツカーの開幕戦として開催されている。
そんなデイトナ24時間はLMP2とデイトナプロトが争うプロトタイプクラス、LM-GTEが走るGT-LM、GT3規定同様のGTデイトナ(GTD)といったクラスが存在するが、GTDの強豪であるフライングリザードに、ふたりの日本人ドライバーが加わることになった。スーパーGT300クラスでAudi R8 LMS ultraをドライブした藤井誠暢、そしてアミューズメント企業NEXUSの代表取締役社長ながら、近年積極的にレースに参戦し、藤井のコーチングの下メキメキと頭角を現している星野のふたりだ。
かつてはポルシェのセミワークス格としてル・マンでもクラス優勝を争い、14年からアウディR8 LMSにスイッチしGTDクラスを戦っているフライングリザードだが、今季のデイトナ24時間には藤井、星野のふたりと、北米ピレリ・ワールドチャレンジ等で優勝経験をもつロバート・ソーン、元F1ドライバーで、アウディワークスドライバーであり、昨年もチームからデイトナを戦ったマーカス・ビンケルホックという強力なラインナップで臨むことになる。
GT300クラスで多くの優勝経験をもち、ドバイ24時間参戦や海外でも豊富な経験がある藤井だが、デイトナ挑戦は初。今回、自らチームと綿密なやり取りを行い参戦にこぎつけた藤井は、「こうして参戦をアナウンスすることができて興奮しています。デイトナ24時間挑戦は僕の大きな夢でしたから」とチームのプレスリリースで喜びを語った。
「世界的に有名なフライングリザード・モータースポーツと仕事ができることになりワクワクしています。もちろん彼らの歴史も知っています。大きなチャンスを与えてくれたチームやスポンサー、ファンに感謝しています」
「日本で一緒に培ってきた星野さんのキャリアも含め、素晴らしいチームとなったと思います。デイトナで走るのが待ちきれません。アウディR8 LMSの高い性能はスーパーGTで良く知っていますし、耐久レースではアドバンテージになると思います。サポートに感謝しています」
また、ニッサンGT-Rプレステージカップやポルシェカレラカップ・ジャパン(PCCJ)で速さをみせ、14年はPCCJでジェントルマンクラス王座を獲得、GTアジアでアウディもドライブした星野は、チームから経験を買われブロンズドライバーとしてチョイス。歴史あるレースへの参戦の機会を得た。
「興奮していますが、同時に伝統あるデイトナ24時間への参戦ということで、大きなプレッシャーも感じています」と星野。
「年齢に関わらず4人のドライバーの中ではいちばん経験が少ないですが、フライングリザードのような素晴らしいチームなので、自分の仕事に集中できると思います。昨年は経験を積むためにPCCJに集中しましたが、たまたまGTアジアでアウディに乗る機会もありました。その経験をフル活用し自らのミッションを実行して、デイトナ24時間を楽しみたいと思います。支援に感謝したいと思います」
デイトナ24時間は他のスポーツカー耐久レース同様、クラス違いのマシンが走行する上に参戦台数も多く、インフィールドでの他クラス車両とのやり取りが非常に重要となる。藤井、星野のふたりが経験を活かしどんな活躍をみせるのか。チームは間違いなくクラス優勝を勝ちとれる実力があるだけに、非常に楽しみにしたいところだ。