白い服をまとった老人の背後には後光が差し、その姿はまるで一国の長のよう…。
ある日、スウェーデンのストックホルムにあるデザイン会社「ulf mejergren architects」に、1つの依頼がきた。
それは、この老人の子どもと孫、ひ孫たちからの依頼で「大切なおじいちゃんのための、特別なイスを作ってくれないか」という内容だったそう。
実はこの老人はつい最近、自分の家を売り、子どもたちの家の近くに引っ越してきたとのこと。
狭いアパートだが、下半身を傷めているせいで歩き回れず、1日のほとんどを過ごせるイスを求めているということだった。
そこで依頼人とデザイナーが協力し、老人が以前の自宅で愛用していた仕事用のイスを改造することを決定。
背中を伸ばせるよう、あまりフカフカでないほうがいいという老人の希望を考慮し、ロウソクでコーティングを施し、少しずつ手作りで制作されることとなった。
出来上がったイスは硬すぎず柔らかすぎず、希望どおりの座り心地。
アームの部分には、大好きなコーヒーのマグカップやウォッカが置けるスペースと、ソーセージ1式を収納するスペースを配置し、テレビのリモコン置き場と足湯まで用意。
結果、至れり尽くせりの夢のようなチェアが完成した。
そして何といっても注目は、このライティング!白い寝巻を羽織って腰掛ければ、まるで王様かイエス・キリストか、といった風格が感じられる、本当に“特別な”イスが完成したのだ。
このアームチェアの名は“THRONE OF FLAMES(炎の王座)”。
その後、子どもや孫たちの愛情がこもった、この“世界でひとつだけのイス”はたちまち話題となり、数々の世界のデザイン系サイトやニュースで取り上げられたそうだ。
荘厳なムードたっぷりの“炎の王座”。あなたならどんなふうにコーディネートする?
ulf mejergren architects
http://www.u-m-a.se/filter/Featured/THRONE-OF-FLAMES
・デザイン(まとめ)