スーパーGT300クラスをはじめ、スーパー耐久、スーパーカーシリーズ(SCR)、GTアジア等多岐に渡って活動を行っている、水谷晃代表率いるDIRECTION RACING。2015年に向けてチームは、4台ものGT3カーを使って、さまざまなカテゴリーに挑戦していくことになりそうだ。
2002年に設立されたDIRECTION RACINGは、ポルシェカレラカップ等の活動を経てさまざまなカテゴリーに挑戦。2014年はGT300クラスではPACIFIC RACINGと組んで国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRで参戦したほか、多くのカテゴリーに挑戦してきた。
2015年に向けて、水谷代表は現在チームに4台ものGT3カーが存在していることを明かし、その4台すべてをフル活用して、昨年からタッグを組んでいるケーズフロンティアとともに、スーパーGT、スーパー耐久、SCR、マカオGTへの参戦が決定していると明らかにした。また、予定ではあるもののアジアン・ル・マンへの挑戦、さらにGT3カーではないが、来季はウラカンでの開催となるランボルギーニ・スーパートロフェオ・アジアへも参戦する。
DIRECTION RACINGが使用するGT3カーは、MY2015のフェラーリ458 GT3、ポルシェ911 GT3R、アウディR8 LMSウルトラ、マクラーレンMP4-12C GT3という4台。これがどのカテゴリーに参戦するのか、水谷代表は「まだ発表はできません」という状況ながら、「我こそはと思うプロドライバー、ジェントルマンドライバー、エンジニア、メカニック募集中です。チーム体制は、各メーカーとのファクトリーサービスを提携し、より良い環境で取り組み結果を出していきます」と意気込みをみせる。
もちろんこれほどの活動であれば、勝てるスキルをもつドライバーはもちろん、優秀なスタッフも重要になる。DIRECTION RACINGの勝利へのモチベーションは非常に高そうだ。
スーパーGTに関して言えば、今季チームに所属したアンドレ・クートのGAINERへの移籍が決定。ただ、水谷代表はチャンピオンチームへの移籍に快くクートを送り出した様子。
「クートの移籍は驚かれた方も少なくないと思いますが、彼は素晴らしい選択をしました。僕もGAINERさんと聞いて心底賛成ですし、何よりも僕にとってアンドレは本当に“良い奴”で、僕と同級生ということもあり、僕のベストフレンドですから」と水谷代表。
「GT500に戻れなかったのは残念ですが、復帰に向けて大きく前進したのではないでしょうか!? そして僕は、GT300に向けてアンドレを超えるドライバーと契約する必要があります。アンドレが今年、DIRECTION RACINGと契約が決まったとき以上のニュースを皆様に出せるようにするのが僕流の礼儀です」
水谷代表は、スーパーGTでの活動に向けて、2名のプロの起用、そしてメーカーとのファクトリーサポート等、多くの可能性を探っている様子。その詳細までは語ってもらえなかったが、「今年のストーブリーグ、さらに楽しくなってきましたね!」と笑う。
「僕のコンセプトは『Let's Enjoy MotorSport』ですからね。こうした僕らの活動が、日本のモータースポーツに少しでも影響があることを信じて頑張ります」と水谷代表。その夢はヨーロッパのブランパン耐久、マレーシアのメルデカ・ミレニアムやドバイ24時間への参戦等、「海外で活躍できる日本の代表的なチームとして活動していきたい」と膨らむ。
ケーズフロンティアという強力なタッグを得て、プロもジェントルマンドライバーもともに参加するチームとして発展してきそうなDIRECTION RACING。4台のGT3カーがいったいどこに登場するのか、ファンとしてはワクワクしながら待ちたいところだろう。