スーパーGT300クラスのドライバーズチャンピオンチーム、GOODSMILE RACING & TeamUKYOがメルセデスへの変更を明らかにした。 23日、2015年の参戦体制を発表し、メルセデスベンツSLS AMG GT3へのマシンスイッチを発表したGOODSMILE RACING & TeamUKYO。毎年のようにタイトルを争うGAINERが使用しているSLSへの変更は、多くのファンにも驚きをもって迎えられた。
2014年のGT300クラスで谷口信輝/片岡龍也組がドライバーズチャンピオンを獲得したGSR。チームは23日、チャンピオンを祝いファンとともに“忘年会”をお台場で開催したが、実はそれに先立ち、23日の昼に都内でメディア向けに15年の体制が明らかにされ、驚きの内容が発表されていた。
18時30分からのGSR忘年会では、事前にチームから「皆さんが知りたい内容が明らかになるかも」と予告されており、ファンはなんらかのアナウンスがある期待をもちながら会場となったお台場に詰めかけた。まずは王座を決めたスーパーGT第8戦もてぎを振り返り、その後プレゼント大会を経て、会場にはサプライズで小林可夢偉も登場。チャンピオン決定を喜び合った。
会場では19時半からニコニコ生放送がスタートし、会場内のファン、ニコ生視聴者に向けて、少しずつ2015年の体制が発表されていった。谷口、片岡のふたりをはじめ、体制が明かされていくと、「おお~」という声とともに拍手が上がった。
そして、注目が集まったのは安藝貴範代表の前に置かれた布がかけられた台。「では、2015年のマシンはなんでしょう?」という四択の質問が会場のファン、ニコ生視聴者に向けて出題されたが、チームにとってはおなじみのBMW Z4 GT3がやはり一番人気。会場でも大きな拍手が上がっていた。ちなみに、他の選択肢はレクサスRC F GT3、ニッサンGT-RニスモGT3、そしてSLS。片岡がRC Fのテスターを行っていることからファンの中ではRC Fを使用するのでは? という推測もあったようだが、「Z4で継続だろう」という雰囲気もあったのはたしかだった。
しかし、少しずつ安藝社長により布がはがされ、メルセデスベンツSLS AMG GT3のミニカーがお披露目されると、会場からは「ええ~!?」「ホントに!?」「マジか」と驚きと動揺が入り混じったような声が。ライバルのGAINERが使用していたマシンだけあり、ファンにとってもまったくの予想外だったようだ。
とは言え安藝社長、そしてドライバーのふたりはSLSへの変更は「勝つため」の選択だと強調する。「同じクルマで真っ向勝負してやっつけたい」と谷口は言う。また、このマシン変更により、GAINERとGSRはタイヤ、チーム力、そしてドライバー力での、まさに“真っ向勝負”となる。
なお、今回チームが導入する2015年仕様のメルセデスベンツSLS AMG GT3は、安藝代表によれば「SLS AMG GT3の最後の1台」になるという。メルセデスでは9月に次期GT3車両のベース車と言われる『メルセデスAMG GT』の市販バージョンが公開されており、レーシングカーとしてのSLS AMG GT3はすでに生産が終わっていたという。
しかし、チームはニコ生中継でも出されたZ4、RC F、GT-R、そしてSLSという4台の候補から検討した後、AMGに打診。スーパーGTチャンピオンチームの申し出ということもあり、AMGで1台の追加生産が決定したのだとか。16年からはGT3車両の変更等もあり、SLSは2015年だけの使用となるが、それでも新車導入を決意したのは、GOODSMILE RACING & TeamUKYOの2年連続チャンピオン、そしてダブルタイトル獲得に向けた意気込みであり、“勝つための選択”そのものだ。
GAINERへのライバル意識を強烈に感じられた今回の決定。近年のGT300における2チームのライバル関係は、大いにファンを楽しませてくれそうだ。