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ペイドライバーに頼るF1を嘆く声「スポーツと言えない」

2014年12月22日 12:50  AUTOSPORT web

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2014年アブダビGPスタート
現在のF1では小規模チームがドライバーの持ち込み資金に頼る状況が行き過ぎていてスポーツとは言えないと、エイドリアン・スーティルが嘆いた。

 今年スーティルはエステバン・グティエレスと共にザウバーで走っていたが、チームは2015年はドライバーラインナップを一新、マーカス・エリクソンとフェリペ・ナスルを起用することを決めた。ふたりの加入によってザウバーには多額のスポンサーマネーが入るものと見られている。

 今のF1では財政的な面が才能より重要になりつつあると思うかと聞かれたスーティルは、F1には昔からペイドライバーは存在したものの、今の状況は行き過ぎていると語った。

「一部のドライバーが年間に支払う額は行き過ぎている」とスーティル。

「本来あるべき状況じゃない。昔からこの問題は存在した。20年、30年前にも小規模チームがあって、そのシートを買うことができた。ただ、今はチームの数が少ないためにより一層目立つのかもしれない」

「この問題はF1からなくなることはないのかもしれないが、もう少しうまくバランスを取ることができるはずだ」

「ミナルディやアロウズが参戦していたころのことを覚えているが、彼らは程度の差はあるがうまく利益を得ていた。何人かスポンサーを持ち込んで走っていたドライバーもいたけれど、スポンサーが最優先事項ではなかった」

「今の状況を元に戻すことができれば、またスポーツと呼べるようになるかもしれない。今は何と呼んでいいのか分からない状況だ」


 財政難に苦しむチームは、F1の分配金の少なさや規則変更によるコスト上昇を非難しているが、スーティルは、そういったチームは自分自身の責任もある程度認めるべきだと述べた。

「いい財政状態にするためにもう少しうまくやるべきチームもいくつかあると思う。確かにシステムに悪いところがあるのかもしれないが」

「内部状況は詳しく知らないが、うまくF1で活動し、採算がとれているチームもある。彼らにはスポンサーがつき、うまく活動を続けられている。一方でそれができずに非常に苦しんでいるチームもある」

「僕はドライバーに過ぎないからなぜここまでバランスが崩れているのかは分からないが、あってはならない状況だ。F1はビッグスポーツなのだから」