最初は悪気がなくても、相手とやりとりしているうちに興奮し、いつの間にか「迷惑なストーカー」になってしまう可能性があります。自分が正しいと思い込みやすい人は、冷静さを失わないように気をつけましょう。
米ニューヨークマガジンWeb版には、世界最高峰の教育機関ハーバード大学の准教授が、ブルックリンにある小さな中華レストランのオーナーを脅していたという記事が載っていました。きっかけはウェブサイトに「ウソの広告」があったというものです。
消費者保護法に基づき「12ドル支払え」と要求
准教授はある日、中華レストランに宅配を頼んだところ、予想よりも4ドル多く請求されていたのに気づいたといいます。1ドル120円として、480円ほどです。
たかが4ドル、されど4ドル。彼はその日のうちにレストランに説明を求めるメールを送りました。するとレストランのオーナーは、ウェブサイトに載っていたメニューの金額は古いものであったと認め、お詫びをするとともに、新しいメニューを送ると申し出ました。
それで一件落着かと思いきや、准教授は次のような返信をして食い下がったそうです。
「マサチューセッツ州の法律によると、ホームページに掲載している金額と違う金額を請求することは、法律に違反する。そのため12ドルを返金してほしい」
彼の主張する12ドルというのは、マサチューセッツ州の消費者保護法に基づいて、被害にあった額の3倍、つまり4ドルの3倍の12ドルを支払う義務があるからだといいます。日本円にして、1440円ほどです。
准教授のウェブサイトによると、彼はハーバード・ロー・スクールを修了している法律のエキスパート。Microsoftなどの一流企業に広告詐欺のアドバイスなどをしている准教授にとって、たとえ相手が街の小さなレストランであったとしても、法律に背く悪質な行為と映ったのかもしれません。
「料理代を半額にしろ」と要求がエスカレート
レストランのオーナーは、始めは返金に応じる姿勢を見せていたものの、弁護士に相談した結果、准教授の主張している金額を払う必要はないとアドバイスされました。そこでオーナーは、その旨をメールで送りました。
すると准教授は気分を害したのか、公的機関できちんとした対処を望むとして、行政機関に知らせたという内容のメールを送っています。この件を扱った別の記事によると、その後メールのやり取りは10通を超え、時にはかなりの長文のメールもあったようです。
さらに准教授は、自分がここまで追及しなければ、今後大きな問題になっていたに違いないとして、自分が注文した料理代を半額にするよう提案したそうです。
しかし、エスカレートしたやりとりは、ニューヨークマガジンにすっぱ抜かれてしまいました。この記事が掲載されたことで大批判を浴びた准教授は、自身のホームページに中華レストランのオーナーに謝罪したいという内容のコメントを掲載しています。
(参考)Harvard Business School Professor Fails to Bully Chinese Restaurant Into Giving Him $12 (DAILY Intelligencer)
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