2014年12月19日 18:21 弁護士ドットコム
女性器をモチーフにした作品で知られる芸術家「ろくでなし子」さんは12月3日、わいせつ電磁的記録等送信頒布罪などの容疑で逮捕された。その後、検察の勾留請求が認められ、現在も身柄を拘束されている。
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ろくでなし子さんにかけられている容疑は、全部で3種類ある。1つが作家・北原みのりさんの経営する店舗に、女性器をかたどった作品を展示したこと。2つめは電子メールやオンラインストレージを通じて、自らの女性器の3Dデータを送付したこと。3つめが同様の3Dデータが入ったCD-Rを配ったことだ。
弁護団によると、ろくでなし子さんは、作品を展示したことやデータを送信したことについては認めたうえで、そもそもデータや作品そのものが「わいせつでない」と主張しているという。
勾留は、被疑者を逮捕したあとに、さらに身柄の拘束を続けることだ。ただし、検察官の勾留請求が裁判官に認められるためには条件がある。具体的には「犯罪の嫌疑があること」に加えて、「逃亡や証拠隠しをするおそれ」など、身柄を拘束する理由が必要なのだ。
今回、ろくでなし子さんと同じ日に逮捕された北原さんは、検察側の勾留請求が却下され、12月6日に釈放された。
一方、ろくでなし子さんの勾留は認められた。これまで、弁護団がさまざまな不服申立の手続を行ってきたが、いまのところ釈放されていない。
逮捕後の勾留は最大20日間で、その期限は24日まで。つまりろくでなし子さんは、12月24日のクリスマスイブまでに、起訴されるか釈放されるかが決まることになる。
その勾留満期を前にした22日、裁判官が公開法廷で「勾留の理由」を説明する公判が、東京地裁で開かれる。当日は、勾留されているろくでなし子さん本人も出廷して、意見を述べる。
弁護人の須見健矢弁護士は「ろくでなし子さんは元気だが、なぜ逮捕・勾留されなければならないのかと憤りを感じている。22日の公判では本人が、そういった思いを自分の口で語るはずだ。一般の人も傍聴できるので、ぜひ彼女の声を聞いて、広く世間に知らせてほしい」と話している。
勾留理由開示公判は12月22日16時から、東京地方裁判所429号法廷で開かれる。この公判は、傍聴券配布・抽選の対象となる可能性もある。東京地裁の傍聴券交付情報は裁判所のサイトでチェックできる。
http://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=15
(弁護士ドットコムニュース)