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【カラーで見る昭和23年の日本】終戦3年後の貴重すぎるカラー映像

2014年12月19日 12:22  gooランキング

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日比谷公園内でポーズを取るおばあさんたち

どうも服部です。前回記事では昭和28年の日本のカラー映像をお送りしましたが、さらにさかのぼって昭和23年、終戦3年後のカラー映像(一部モノクロ映像)をお送りします。

動画を公開しているMichaelRoggeさんによると、アメリカ軍の将校が撮影したものだそうです。では早速見ていきましょう。

この記事の完全版 (画像36点、動画2点)はこちら

まず1つ目は、日比谷公園周辺で撮影されたと思われる2分30秒ほどの動画です。

消防車らしき赤い自動車。交通量は意外とあるようです。

皇居周辺でしょうか、都電が走っています。懐かしのボンネットバスも走っています。

ちらっと映る「日比谷朝日生命」のビル。現在、日比谷マリンビルが建つ日比谷通りと内堀通りの交差点付近です。

「公安安全」の標語(交通安全の間違え?)の後ろには、自転車タクシー(輪タク)が走っています。燃料不足であった当時は自動車のタクシーを走らすことができず、大正時代に使われていた輪タクが再登場したのだそうです。

黄色い看板(?)の右上に信号機が見えますが、警察官が手旗信号を出しています。

1938年(昭和13年)に建設、戦後GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)に撤収されてその本部として使われていた第一生命ビルです。屋上にアメリカの国旗が掲揚されています。

日比谷公園内でしょうか。おばあさんたちがポーズを決めてくれていますが、動画だとわかってないのか、じっと動きを止めています(※冒頭の画像)。

着物の色も鮮やかに映っています。

乳母車に孫(?)を乗せて歩く男性の姿。随分としっかりとした乳母車です。

野球をしている男性たち。周辺で働くサラリーマンたちでしょうか。

これらは1923年(大正12年)に竣工し、1968年(昭和43年)に解体された帝国ホテルのライト館のようです。動画の邦題に「オリエンタルホテル」と書いてありますが、「インペリアルホテル」が正しいようです。

東武ワールドスクウェアで展示されているライト館の全景(ミニチュア、実寸比25分の1)と比較してみるとわかりやすいです。



2つ目の動画ですが、こちらは何本かの映像を組み合わせたもののようです。前半はモノクロ、後半からカラーになります。

何が通ったのか見過ごしてしまいがちですが、1つ目の動画でも出てきた輪タクのようです。結構スピードが出ています。

屋根が付いている車が通りますが、どうやら霊柩車のようです。

何かを待っているような女の子たち。ナレーションがないのでわからずじまいです。

荷物と人を満載したトラック。危なすぎます。

高架を走る電車です。モノクロなのでわかりにくいですが、山手線でしょうか。

場面は変わって(フィルムも変わっているようです)随分と賑わっている商店街のようです。「京極」と書いてあります。京都の「新京極通」でしょうか。

手品をしているおじさんと、それを見ている子供たち。でも手品よりもカメラに興味が行ったようで……。

外国人と同行する日本人らしき男性。通訳ですかね?

路面電車が映っていますが、1978年に全廃になった京都市電でしょうか。

ここからカラー映像になります。雨の中、電車で移動中のようです。

小さな駅に到着しました。遠足でしょうか、子供たちもたくさん降りてます。聞えてくる子供たちの話し声からして、関東の子供たちのようです。

再び場面は切り替わり、電車内です。走行音が現在より堅い感じがします。いくつか大型の建物が見えますが、どのあたりなのでしょうか。

再び場面は切り替わり……、初めてテロップが出てきました。「Himeji 1948」、1948年(昭和23年)の姫路です。背後には姫路城が見えています。お花見シーズンだったようです。いつの時代であっても、日本人は桜に癒やされていたのですね。



いかがでしたか? 戦後すぐと聞くと、焼け野原が残る貧しい時代というイメージを持ってしまいますが、あえてそういう場面を撮影していないだけかもしれませんが、復興の早さに驚かされました。

(服部淳@編集ライター、脚本家)