マクラーレンのCEOロン・デニスとレーシングディレクター、エリック・ブーリエは、ケビン・マグヌッセンは2015年のレースシートを失うが、将来必ずF1レースに復帰すると語った。
マクラーレンは来年に向けてフェルナンド・アロンソと契約した後、彼のチームメイトとして2014年のレースドライバーのジェンソン・バトンとマグヌッセンのどちらを選ぶか、長期間にわたって悩んだ末に、最終的にはバトンを選んだ。
マグヌッセンは、来年はチームのテスト&リザーブドライバーを務める。
デンマーク出身22歳のマグヌッセンはマクラーレンの育成ドライバーであり、2013年のフォーミュラ・ルノー3.5シリーズでタイトルを獲得した翌年、F1デビューを果たした。デビュー戦のオーストラリアでは2位を獲得、ベテランのバトンをしばしば上まわる速さを見せたが、ポイント獲得数に関してはバトンの126点に対し、マグヌッセンは55点にとどまった。
デニスもブーリエも、マグヌッセンは来年はテストドライバーに一歩後退するが、その間の経験を武器に、より強くなってF1レースに復帰すると強調している。
「ジェンソンを選ぶという決断をした理由を(マグヌッセンに)説明するのは本当に辛かった」とデニス。
「『今後お前はフェルナンドやミカ・ハッキネンと同じような道を歩むのだ。私はそう信じている』と、ケビンに対して話した」
「1年をテストドライバーとして過ごすことになっても、その後レースに復帰するチャンスがなくなるわけではない。フェルナンドはミナルディでレースに出場した後、ルノーで走る前に1年間テストドライバーを務めた。ミカはロータスで2年を過ごし、マクラーレンに加入したが、最初はテストドライバーを務め、その後にレースドライバーになった」
「そしてふたりともその後、タイトルを複数回獲得した」
ブーリエは「これが一番正しい決断だったと信じている」と語った。
「ケビンはそうは思っていないかもしれないが、我々がマクラーレン・ホンダのために行える一番正しい決断だった」
「彼が来年レースに出ることができなくなってがっかりしているのは分かっている。だが我々は彼に最大の条件を提供した。それは来年このファミリーの一員になるということだ」
「マクラーレン・ホンダのプロジェクトは壮大であり、そこから彼が学べるものはたくさんある。ふたりのドライバー(アロンソとバトン)からは特に多くのことを学習できる」
「彼には来年もレーシングカーに触れる機会を与えるし、その経験が彼のキャリアを豊かなものにする」
「今年ルーキードライバーとして非常にいいシーズンを過ごした。将来F1レースに復帰できないわけがない」
マクラーレンはアロンソともバトンとも複数年契約を結んだため、マグヌッセンを2016年にレースドライバーに戻すのは難しい。そのためチームは再来年はマグヌッセンを別のチーム、もしかすると他のホンダパワーユニット搭載チームで走らせることになるのではないかという推測も持ち上がっている。
これに関してブーリエは「その可能性はあるが、まだ検討してはいない。ただ、我々は100パーセント、彼をサポートする」として、2016年にマグヌッセンがF1レースに復帰する可能性は非常に高いと述べたとSky Sportsは伝えている。